GXSでは国際競争力の強化に欠かせない企業間取引(B2B)を支援するグローバルなビジネス基盤を提供している。企業は、クラウド上のB2B基盤にシステムを接続して国内外のさまざまな取引先とシームレスにデータを交換できる。取引先の追加にも柔軟に対応でき、万一の災害時などのビジネス停滞を回避するだけでなく、事業継続性の獲得が可能になる。
東日本大震災後、企業の規模や業種を問わず、事業継続計画(BCP)の重要性が再認識されている。BCPを考えるうえでポイントになるのが、企業間取引のベースとなる「B2B基盤」だ。サプライチェーンマネジメント(SCM)などさまざまな要素で構成されるが、この基盤が揺らぐと企業活動が停滞する恐れがある。
「SCMに限らず、あらゆる企業間取引の根幹となるのが、当社が推進するB2B基盤です。信頼性、安全性の高いグローバルな基盤を提供し、企業の国際競争力の強化とBCP推進を支援します」と、GXSの田中良幸社長は話す。
国内外の主要企業が
B2B基盤を活用
GXSは米国に本社を構え、40年以上にわたって企業間取引を統合するB2Bサービスを展開してきた。グローバルなB2B基盤「GXSトレーディング・グリッド」をクラウド上に構築し、企業間の連携支援やB2Bアウトソーシングサービスを通じ、SCM領域での活用やBCPの達成を支援している。
同社のB2B基盤は世界200ヵ国以上で導入実績があり、顧客数は4万社を超えている(フォーチュン500の75%が導入)。日本では1975年から事業を開始。顧客企業は約1500社に及び、その取引先である約5000社を含め、B2B基盤上でEDI(電子データ交換)などのデータ連携を行っている。
GXSのB2B基盤が多くの企業に支持されている理由は、企業間取引にかかわるさまざまな課題を解決することができるからだ。
たとえば、企業が海外の取引先とビジネスを開始する場合、その国の事業者と接続の契約を結び、業界ごとのデータ交換システムを構築する必要がある。さらに他の国へ取引先を広げる場合、接続のための新たなシステム構築の手間とコストがかかってしまう。
それに対して、GXSでは企業間取引に必要なデータフォーマットなどの違いを意識することなく、グローバルなB2B基盤を介してさまざまな国・地域の企業とシームレスにつながる仕組みを用意している。「日本企業は、国内のゲートウェイセンターにシステムを接続するだけで、低コストかつスピーディーにB2B基盤を利用したグローバルな企業間取引を始めることができます」と田中社長は説明する。
B2B基盤では、仕入れ先、物流会社、得意先、金融機関など企業間取引に必要な取引先と接続し、データ交換を行う(図1)。たとえば、仕入れ先から生産に必要な原材料を調達する場合、物流会社とのデータ連携も必要になる。また、仕入れ、製造、納品いずれの段階でも、金融機関とのデータ連携は欠かせない。