そうした企業間取引において、それぞれ別個にシステムを構築するのではなく、GXSが提供するグローバルなB2B基盤を利用すれば、業務の効率化だけでなく、海外ならば事業展開の迅速化にもつながるだろう。さらには、B2B基盤に企業間取引を統合することで、じつはBCPの推進も期待できる。

BCP推進にも
大きな効果が望める

 B2B基盤に関して、万が一の事態を想定したBCPでは、主に四つの課題が想定される。接続の確保、サーバなどのハードウエアの破損防止、業務の続行、そして運用・保守体制だ。GXSでは、通信網やデータセンターを冗長化して信頼性を確保するなど、こうした問題に万全の体制を整えている。

 さらに同社ではさまざまなリスクを考慮し、企業間取引業務をアウトソーシングできる「マネージドサービス」を提供している(図2)。取引先のシステムに応じたデータ交換やデータ連携をはじめ、データセンターでの取引データ保管などを実施。先日の東日本大震災では、被災した取引先へのデータ保管期間を延長し、システム回復後、データを渡すといった対応を行っている。

図2 マネージドサービスの概要 GXSマネージドサービスは、複雑化する企業間取引のシステム環境の統合を支援するアウトソーシングサービス。企業間のデータ連携やシステム運用・監視、取引先との接続・導入サポートなどのサービスを提供する。これにより、企業はB2B基盤の管理にかかわるコストや要員などを削減できる。

 また、取引先との接続や導入サポートなどを支援するコミュニティ管理や、オペレーションの代行業務などのサービスを提供。マネージドサービスはBCP対策のみならず、「複雑化するB2B業務をアウトソーシングし、企業はコア業務に専念するなど、競争力を高められます」と田中社長は話す。

 グローバルな事業を推進する大手企業のみならず、海外へ取引先を広げる中小企業の導入も加速している。経営の最重要課題になるBCPと競争力の強化に向けてGXSのソリューションの価値は高まっている。「物理的なSCMに加え、金融機関との連携による財務的なSCMを含め、BCPを支援するB2B基盤を提供できることが当社の強みです」と田中社長は力強く語った。