CO2削減だけでなくより幅広い環境問題へ
掛け声だけは「地方の時代」といわれるが、地方から元気なニュースが発信されることはまだ少ない。
「そんななかで“環境”は、ビジネスの格好の隠し味になります。環境という『大義名分』が立つことが大事で、従来とは異なる目的が、新たな場を結んでいく引き金になるのです」
忘れてはならないのが、環境問題自体が持つ多様性だ。「多くの日本人は環境問題イコールCO2削減だと考えています。しかしCO2削減は手段であって、目的ではないはず。そこを取り違えてはいけません」
表は世界24ヵ国約2万5000人を対象とした「地球温暖化に関する意識調査」の結果だ。
日本人が「地球温暖化が最も深刻(65%)」としているのに対し、世界のトップ3は「水質汚染(72%)」「天然資源の枯渇(70%)」「水資源不足(70%)」と、かなりの認識のズレがある。
世界でも地球温暖化が深刻視されているのは間違いないが、目立つのは日本人が「温暖化」以外を、さほど深刻にとらえていない点だ。
「そろそろ日本人も、CO2ありきで環境問題を考えることから脱却しなくてはなりません。まず環境問題への幅広い危機感(実感)があって、それをどうしようかと試行錯誤するなかから、知恵が生まれてくるのです」
全国に埋もれている環境先進技術はまだたくさんある。環境問題の広がりを意識した、新たな環境ソリューション展開に期待したい。