シリコンバレーに
自動運転専用ラボを開設

 マウンテンビュー、サニーベール、パロアルト、クパチーノ、そしてサンノゼなど、米カリフォルア州サンフランシスコ南部・ベイエリアの一帯、ITベンチャーが集結するこの地域は「シリコンバレー」と呼ばれる。この名称に使われているシリコンは半導体の原料。その半導体ビジネスを牽引し、シリコンバレーの発展を下支えしてきたのがインテルである。

インテルが開設した「オートノーマス・ドライビング・ガレージ・シリコンバレー」

 2017年5月、サンノゼのインテル社屋の一角に「オートノーマス・ドライビング・ガレージ・シリコンバレー」がオープンした。ガレージという建屋1階にシャッターがあり、その内部は作業用ピットとして活用できるレイアウトになっている。

 同ガレージのオープニングセレモニーを兼ねて、インテルは地元アメリカの他、ヨーロッパ、中国、台湾、韓国、そして日本のメディアを招いて、オートノーマス・ドライビング・ワークショップを開催した。そこで感じたのは、同社の自動運転ビジネスに対する本気度の高さだ。

第二の「ムーアの法則」が
やってくる

 インテルの自動運転開発チームが正式に組織されたのは2016年末。IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)グループからスピンアウトした。人員は、サンノゼ本社およびドイツのカールスルーエにある開発拠点の技術者が主体だ。

 ではなぜ、このタイミングで自動運転開発に注力することになったのか。

 インテルの自動運転部門の戦略マーケティングディレクター、ジル・スカイアラッポ氏は、「まさにいま、『第二のムーアの法則』が始まろうとしている」と主張する。ムーアの法則とは、インテル創業者の一人、ゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した、半導体の集積度が1.5年ごとに倍増するという予測だ。