AIの普及を加速させる
プラットフォームを提供
こうした中で期待されているのが、半導体を通じてコンピュータの処理能力を飛躍的に進化させてきたインテルの取り組みだ。AIが新しい価値をもたらすには、これまで以上に特化された処理能力が必要となり、大量のデータをやりとりするためには、ネットワークを含めたICT環境の整備も重要になる。
インテルにはこれらの課題解決が期待される。現在のAIワークロード処理の90%以上を、インテル製品を搭載したソリューションが担っているという事実は決して無視できない重みを持つ。同社の取り組みがAIの今後の進路を左右すると言っても過言ではないだろう。
具体的に同社が取り組んでいるのは、AIの可能性を最大限に引き出すための包括的なAIポートフォリオの実現だ。データセンターからIoTデバイスまで、全てのシーンで最適なコンピュータ処理能力が装備され、効果的にデータをやりとりできることが求められる。そのためには、ハードウエアだけでなく、ソフトウエアの進化も必要になる。
「CPUはもちろん、さまざまな分析処理に最適化されたアクセラレーターの開発と提供、ソフトウエアやエコシステムの拡充など、AIを加速させるプラットフォームの整備を急ピッチで進めています」と福原氏は語る。
同社ではAIを加速するために必要な投資や企業買収を行い、機械学習やディープラーニングなど先進技術を持つ企業との連携も積極的に進めている。2020年にはディープラーニングの分野でのパフォーマンスを100倍にするという目標も掲げる。圧倒的なパワーの進化は、今見えていない新たな分野でのAIの可能性を広げる。
インテルの強みは、オープンな環境を提供できることと、エンドツーエンドで同じアーキテクチャーを適用できることだ。例えば、自動運転の世界では、車両に搭載するCPUからネットワーク、クラウドまで同社の製品群が利用されている。それだけにデータの連携はしやすい。
「AIの市場は今後2020年までに10倍以上の規模に成長すると見られています。そこには誰にとっても大きなビジネスチャンスがあります」と福原氏は語る。ニュートラルでオープンなスタンスを保持しながら、エンドユーザーを巻き込んだユースケースの開発にも積極的に取り組む同社は、AIビジネスを進めるための、強力なパートナーと言えるだろう。