中国での現地生産、販売、越境EC、ソフト開発、研究開発など、日中間をまたぐビジネスの発展とともに情報のやり取りも急増している。だが、インターネットによる日中間通信には、「遅い」「不安定」「安全性が心配」といった不満も多い。それらを解決し、中国ビジネスの円滑化を支援する、クラウド事業者初の通信サービスとして誕生したのが、SBクラウドの「Express Connect」だ。
多くのグローバル企業にとって、取りこぼすことのできない“主戦場”のひとつである中国市場。日本企業による中国ビジネスも、投資額や取引額が年々増加しているだけでなく、研究・開発拠点としての活用や13億人の巨大市場を狙った越境ECなど、進出目的や事業形態がどんどん多様化している。
そうした流れとともに日中間をまたぐ情報のやり取りも急増。しかも送受信の回数が増えているだけでなく、1回当たりに送る情報の量も重くなっている。
たとえば3D CADで設計した機構部品などの図面をインターネット回線で中国に送ろうとすると、データ量の重さに加え、回線の細さがボトルネックとなって相当な時間を要することが多い。結果的に設計~生産プロセスの生産性が下がり、リードタイムが延びてしまうことも珍しくないようだ。
また日中間のインターネット通信は、伝送の遅延だけでなく、接続の不安定性、情報漏えいやウイルス感染といったセキュリティ上での課題が多いことも指摘されている。これらの問題を解決すべく、通信事業者が提供する専用線を利用する企業もあるが、初期導入コストの高さや、1~3年という契約期間の縛りがネックとなって、導入をためらう企業も少なくなかった。
そんななか、ソフトバンクと中国アリババの合弁企業であるSBクラウドがこのほどサービスを開始したのが、リーズナブルな料金設定で、スピーディかつセキュアな日中間の通信環境を提供する「Express Connect」である。
通信の速さと安定性で
日中間ビジネスを円滑化
「Express Connect」は、SBクラウドが2016年12月から開始したパブリッククラウドサービスのユーザー向けにオプションとして提供する、通信キャリアレベルの専用線ネットワークを使ったソフトウェア・ディファインド・ネットワーク(SDN)だ。
同社のパブリッククラウドは、ソフトバンクとアリババが技術とノウハウを結集し、仮想サーバーやストレージ、データベースなどのITインフラをクラウドサービスとして提供するもの。日本はもちろん、中国でもこれらのインフラが手軽に「買える」のが魅力だ。しかも、世界最大級のECサイトを運営するアリババが自らも利用してきたインフラだけに、安定性やセキュリティ面での信頼性は抜群である。
そうしたクラウドサービスの頼もしさに加え、日本と中国のそれぞれに置いたITインフラをつなぐ通信回線についても速さと安定性を担保し、ユーザーの日中間ビジネスを円滑化してくれるのが「Express Connect」なのである。