たとえば通販業者からは、商品開発以外は、注文から発送までをトータルで受託。家電量販店のバックヤード業務では、在庫発注、保管、配送、果てはエアコンなどの据付工事まで一括受注するといったことまでも業務として請け負う。

 物流に直接関連が薄い分野にも積極的に事業領域を拡大させているのも最近の特徴だ。たとえば、事務所の移転などの引っ越し業に進出する企業もある。

 こうした中核事業以外の業務の受注が増加するなかで、再認識すべきは土地や倉庫を所有していることで、もともと不動産業の側面を併せ持つという点だ。倉庫物件を扱う「物流不動産」の売買や賃貸、さらに不動産コンサルタント業への事業領域の拡大には、他にはない強みを発揮する。

 また、未曾有の大災害となった東日本大震災で、認識を新たにしたのがリスクへの対応力だ。高度なセキュリティ対策、地震・災害対策を施した情報保管・管理専用施設である「レコードセンター」は、重要書類や証票、システムデータといった情報資産を確実に守り、事業活動の継続に大きな役割を果たしたことは記憶に新しい。

 このように、もはや物流業としての枠を軽々と超えてしまった感のある倉庫業。さらには、商品情報の提供、工場への発注、金融機能、配送をワンストップで行うことにより、卸売業の領域にも参画しているのが現状だ。