老けて見えるのは、顔立ちが変わったからだけではなかった
人が「老けている」と感じるのは、しわやシミ、肌のたるみや口元など、顔立ちの変化だけではない。研究で明らかになった「老けている」と見える決め手は、「肌の明るさ」だった。
「より詳しく調べるため、L*a*b*という色の指標を用いました。同じ顔写真で色味だけを変えて、27通りのバージョンを比較しました結果、『肌の明るさが低い』と『老けて見える』ということがはっきりしたのです」と山口主事は解説する。
さらに「アイトラッキング」という目の動きを追う手法を用いて、「若々しい」という印象を評価するとき第三者は顔のどの部分を見ているのかを計測した。すると目元から頬にかけての部分に視線が集中していることが判明した。人は、無意識に頬の肌状態を見て、「老けている」という印象を判断することが分かったのである。
なぜ加齢によって肌は暗くなるのか。橋本主任はこう説明する。
「肌が暗くなる原因として、肌のキメが乱れて光が当たっても散乱しにくくなることや、太陽光を浴びてシミの原因となるメラニンの生成が促進されることが挙げられます。また、保湿が十分でないことでターンオーバー(皮膚の細胞が一定のサイクルで生まれ変わること)が不規則になり、メラニンの排出が不十分だったり、角層が厚くなって透明感が失われたりするのです」
肌の明るさが低いことが「老けて見える」原因ならば、そこにターゲットを絞り、スキンケア製品をつくればいい。
基盤研究所で得られたデータをもとに、技術開発センターで新しい乳液を試作。被験者に4週間使用してもらうと、肌が明るくなる傾向が確認された。使用後の顔写真を第三者に印象評価してもらうと、確かに「若々しい印象」がアップしていた。この研究の成果は製品開発に活かされている。
女性よりも大きい、男性のスキンケア効果
「歳を重ねても、人の肌の細胞にはターンオーバーがあります。保湿やメラニンの生成を抑えるなど、正しいケアをすれば肌はキメや透明感を取り戻し、明るさが上がります。つまり“老けている”印象を改善することができるのです。女性と違って、男性はスキンケアをしている人が少ないため、効果はより大きく現れる傾向があります。『中高年だから手遅れ』ということはないのです」と山口主事。
日本人の男性の肌に徹底的にこだわるマンダムの研究所。最終的なゴールは、男性にスキンケアという習慣を浸透させ、世の中の男性が自分の肌に自信を持って、充実感のある毎日を過ごしてもらうことだ。
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