エコロジー＆エコノミーな宅配便「エコ配」

４つの工夫で徹底的に
コストを減らして低価格を実現

──「エコ配」のもう1つのエコ、「エコノミ―」について教えてください。

片地：私たちは4つの工夫でコストを減らし、一律で低価格を実現しています。1つめは、「配送エリアを東京・大阪・名古屋の三大主要都市に限定していること」。日本の物流の60％以上がこの三大都市付近での需要となっています。それを踏まえて、このエリアに限定することで、効率良く荷物をお届けすることができます。つまり、沖縄の島に行くことも、北海道の雪山に行くことがない分、料金を安く設定できるのです。

　2つめは、「小さな荷物に特化していること」。荷物の大きさにして縦・横・高さの合計が90センチ以内のものだけをお受けしているので、1回で運べる量が多く、配達効率が大変良い。自転車の荷台は、大きな段ボール4、5個で荷台がいっぱいになりますが、90センチサイズであれば200個は積むことができます。

　3つめは、「自転車の配送をメインにしていること」。一般的な宅配便の場合、車自体が1台400万円くらいかかり、維持費や燃料費に加え、駐車スペースも考えた大きな物流センターが必要になります。一方、「エコ配」のメインは、10万円程度の自転車。燃料費もかからず、減価償却を考えてもほとんどコストがかかりません。店舗も20～ 30坪程度の広さでまかなうことができます。

　4つめは、「シンプルな商品とサービス体系であること」。クール便やチルド便などは一切やらず、ドライのみ。配送についても、翌日配送のみで時間指定もありません。このようなシンプルな配送体制なので、複雑な業務やシステムを必要としていません。その結果、スタッフのシフトも組みやすく、現場でも能率的に動くことができます。

　こうした4つの工夫で、大手宅配便業者に比べて、圧倒的に安い価格でのご提供を可能にしました。宅配便の場合、価格が安いというと、「社員の給料が安いのではないか」「サービスの質が良くないのではないか」という声が聞こえてきます。しかし、そうではありません。コストがかからない構造になっているから、低価格を実現できるのです。

年間1000万個の
目標も見えてきた

──2つのエコに特化した「エコ配」は、今後ますますシェアが伸びていきそうです。

片地：現時点では、「エコ配」をご利用してくださっているのは全事業所の4％程度で、ほとんどが新規のお客様です。業界内シェアを見ると、宅配便の上位2社の利用率は全事業所90％以上と大きな開きがあります。この差はまだまだ大きいですが、今年6月には「エコ配」も80万個を突破。年間1000万個という目標も見えてきました。

　エコ配もこの7月で5年目となり、新たなスタートを切る“攻め”の年と考えています。自信を持ってお届けできるサービスなので、EC業界のみなさまにも1人でも多くの方に知ってもらい、安心と充実感を感じながら「エコ配」をご利用いただきたいですね。