人事評価を通じてマネジメント能力も底上げされる
では実際に、評価者はどのように新しい人事評価制度を受け入れ、部下の評価を行なっているのだろうか。取締役・採用戦略本部の越川裕介本部長に聞いた。
2008年、コプロ・エンジニアード入社。2010年に名古屋支店 支店長、2013年に執行役員、2016年に採用戦略本部 部長、2017年より現職。
同社では、全社共通のコンピテンシーとして、人間力にまつわる「誠実さ」「第一印象度」「自律志向」「自己革新」という4つのキーワードを掲げている。その行動目標について、部下と話し合いながら、個々の行動目標に落とし込んでいくのが評価者の仕事になる。
「例えば『誠実さ』であれば、だれよりも明るく元気よく挨拶する、自分から声をかけるなどの具体的な目標からスタートし、達成できたらレベルアップをしていきます。3カ月間に成長できる目標を上手に設定することが求められますが、目標設定がきちんとできれば結果につながります。そういった意味で、最初の目標設定が最も重要だと言えます」
新しい人事評価制度の、導入前と導入後のいちばんの違いは、やはり「自分がいま何に取り組めば評価されるのか」ということが明確になったことだという。基本的に行動目標は自分で設定するため、「できませんでした」という言い訳ができない。逆に言えばそれを成し遂げればきちんと評価され、報酬やキャリアパスに繋がってゆく。
「相対評価から絶対評価になることで、当初、部下には不安もあったようですが、営業部だけでなくバックオフィスなど、それまで生産性が見えにくかった部署でも評価が数値化されるようになり、会社に対する信頼感が全社的に生まれたと思います」と越川本部長は手応えを語る。
「他に成果を実感するのは、代表清川の言うように、やはり評価者自身の成長の部分です。評価者は、部下が抱えている課題を理解し、その部下の長所と短所を把握していなければ、正しい目標設定のアドバイスができません。評価は四半期ごとに行なわれ、目標設定面談に加えて、目標に対する進捗確認と修正を図る中間面談、成果を見る評価面談があるため、コミュニケーションの時間が多くなり、部下への理解が進んだこともメリットだと感じています」
評価者研修という場を設け、18名いる評価者が一堂に会して、偏りのない評価を行なうための講習を実施している。評価を通じて、マネジメント能力の底上げが実現しているのだ。
現在の課題は、社員が増え続けるなか、評価者の数を増やすこと。人が人を評価するこの制度は、上司が部下の日々の業務を細かく見て指導・育成することで十分な効果を発揮する。人事評価制度をポジティブに捉えれば捉えるほど、まだまだ成果は上がると期待している。
>>「あしたの人事評価」を導入し給与がアップした事例はこちら
【PR】