2004年からNTTドコモのFOMAにウイルス対策ソリューションを提供。以来、ウィルコムの端末、AndroidのスマートフォンやタブレットPCと対象を広げ、モバイル分野のセキュリティでも他社より一日の長を誇る。また、ビジネスでの利用シーンが増えるスマートフォンへの新たなリスクが増大していくなか、モバイルデバイスの管理・保護に力を入れている

 注目されているのは、外部からの不正侵入への対抗手段や、ホワイトリスト型の対策、SaaS型のセキュリティ対策など、そして今話題のモバイル分野のセキュリティだ。特にモバイル分野のセキュリティへの関心は急速に高まっている。
 

「スマートフォンやタブレットはパソコンなどよりセキュリティ面が弱く、今後さまざまな攻撃手段が現れてきます」と加藤氏は危惧する。

 高度化したモバイルマルウェアの報告は日ごとに増し、端末の起動阻止や設定変更など、初期のPCで見られた被害が出ている。最も悪質なものは、Androidの脆弱性を突いて悪質なプログラムを削除不要領域にコピーするものもあるので、スマートフォンをビジネスシーンにも利用する際には特にインストールするアプリケーションに十分な注意を払いたい。

 04年にNTTドコモが携帯端末にウイルス対策を搭載した際に、同社がパートナーに選ばれている。その後、スマートフォンやタブレットPCにもいち早く対応するとともに、新しい技術を取り込んだ高度なモバイルセキュリティを目指している。

インテルとの連携で
セキュリティの世界が
変わる可能性も

 マカフィーが今注目されている理由のもう一つがインテルによる同社の買収だ。今年3月に買収は完了し、同社はインテルの100%子会社になった。半導体世界最大手のインテルと一緒になることで何が変わるのか。加藤氏は「高度化する脅威に対抗するとき、よりハードウェアに近いところで動作するセキュリティ対策が必要になる」とメリットを挙げる。

 今、同社ではインテルと連携して新しい製品の開発に取り組んでいるが、そこではこれまでの常識では困難だった対策が提供されるのだろうか。「セキュリティのパラダイムが変わるような製品がお届けできると思います」と加藤氏は自信を見せる。

 スマートフォンはもちろん、すべての機器がセキュリティ対策の対象となる時代だけに、幅広いカバレッジを強みとする同社の動向に注目したい。