HIT活動では参加者全員が楽しんで改善できる
HIT法の基本活動では、業務の分解や業務のチャート化を行い、改善提案を上げる。これらの作業は、担当コンサルタントが行うこともあるが、基本的にはマネジャーを推進リーダーとして担当者が自分たちの手で行う。
当初は、やらされ感で改善活動に参加する者もいるが、業務の可視化を進めていくうちに、次々と有益な改善案を発見し、その面白さに気づく。さらに成果を出そうと、改善活動に熱がこもる。活動開始から3週間程度でこのような状態になるのがHIT法だ。
よくある経営コンサルタントの提供するサービスは、業務を分析し、改善提案を立派な報告書にまとめて提出し、それで終わりだ。その改善提案が実際に現場に当てはめられて、うまくいくという例は少ない。現場の担当者たちが納得した改善提案ではないからだ。
その点、HIT法は、参加者自らが楽しんで業務を分析し、改善提案を上げる仕組みを提供する。全員参加型の改善活動なので、明らかに定量的な成果が出せるし、現場の意欲向上という定性的な効果にもつながるのだ。
HIT法ならあらゆる問題を解決できる
今回はHIT法による改善事例をいくつか紹介したが、あくまでほんの一例にしかすぎない。どれも細かいレベルの改善に思われたかもしれないが、細かい改善も無数に積み重ねることで、結果的に多大な成果となる。HIT法を導入後、数ヵ月で間接部門の業務を半減できた企業もある。
またHIT法を始める前、経営者からは、「コスト削減をしたい」「業務効率を高めたい」「システム化を進めたい」「マニュアルをつくりたい」などの要望が上がる。しかしHIT法では、そうした目的を据えてから活動を始めることは少ない。なぜなら、それらの全部を実現できてしまうからだ。
業務を可視化することで、必然的にムダに気づき、業務の改善が進む。それによって当然、コスト削減や効率化の効果が得られる。さらに改善後は、業務管理の基本となる電子マニュアルが自動的に作られ、その業務マニュアルは、システム導入をする際の要件定義にも活用できる……といった具合だ。HIT活動を進めていくうちに、さまざまな課題が解消されていく。今回の連載でお話しきれない事例もあるので、HIT法についてもっと知りたい、聞きたい、学びたいという方は、こちらから問い合わせができるようにしたので、ぜひ活用していただきたい。
さらに進めていけば、「BPR」「リスクマネジメント」「人材育成(OJT)」など、より上位のマネジメント分野でもHIT法は効果を発揮するが、それは「基本活動」を終え、「専門活動」に移行してからの成果だ。連載第3回となる次回は、HIT法がどのようにBPRやリスクマネジメントなどに役立つのか、引き続き事例をもとに紹介したい。
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【第3回】BPRから人材育成、リスクマネジメントまで業務プロセスとマネジメントの革新を同時に実現するツール
【第4回】八千代工業のHIT法導入事例(上) 2億円の費用をかけた業務改革活動で10数億円の工数削減効果を発揮
【第5回】八千代工業のHIT法導入事例(下) 業務工数30%削減で生まれたリソースで企業競争力の強化を図る
【最終回】「人材不足なのではない。人材を育てていないだけ」 経営者は革新マネジメントのツールを手に入れ、人と会社に元気を取り戻そう!