郊外の戸建て「売れる」
「売れない」の境界線

 郊外でも「売れる」一戸建てはあります。しかしそれには、幾つか条件があります。

 一つ目は駅からの距離が、徒歩7分以内であること(1分80m計算で560m以内の距離)。逆にバスしか通っていない場所は、売るのは難しいでしょう。

 ただ、全く売れないわけではありません。一戸建てを購入するのは子育て世帯。緑豊かな公園が隣接していたり、庭付き一戸建てで伸び伸びと子育てしたいと考える人も一定数いるからです。 

 二つ目は、築年数。理想は築15年以下ですが、そんな築浅物件を持つシニアはそう多くはありません。買い主の視点から述べると、築年数が古い木造住宅は、価格も下がって買いやすい半面、ローンを組む際にデメリットがあります。

 木造住宅は20年間で当初の20%の評価額まで償却され、古い中古物件は担保評価が見られないものと考えられます。築30年の物件でも、ローンは組めるといわれてはいますが、金融機関によっては担保評価額がゼロとなり、ローン自体組めなくなってしまうのです。 

 さらに、住宅ローン控除を受ける条件は、木造住宅の場合築20年以下です(ただし、耐震性能について証明書などを取得すれば控除可)。住宅ローン控除は年40万円(上限)の税金が控除されるもので、築30年の物件はそうした恩恵が受けられない可能性があります。

 三つ目は広さの問題。昭和の一戸建ては広く、敷地が60坪ほどあります。今となっては広過ぎて売れにくいものです。更地にして30坪ずつ2軒の建売住宅を造って販売するのが現実的で、主な買い主は業者となりますので、安く買いたたかれる傾向にあるのです。

この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2017年11月26日号 中古 マンション 戸建て『中古住宅 売る・買う・創る』の詳しい内容は こちらからご覧いただけます。

中古マンション・戸建て「売買のコツ」をお届けする特設サイト『中古住宅 売る・買う・創るOnline』もあわせてご覧ください。

資料を無料でご請求いただけます。こちらから。