世界規模のデジタルマーケティングカンファレンス「ad:tech tokyo 2011」が10月27~28日、東京・港区で開催された。3回目となった今年は約7500人が来場し、42の公式カンファレンス、ワークショップ、スペシャルイベントはいずれも活況を呈した。2011年以降のデジタルマーケティングはどこへ向かうのか。そのベクトルを示唆する、世界第一線のマーケッターたちによる 6つのキーノートカンファレンスを中心に、2回にわたってレポートする。
ソーシャルの鍵は
リラックス?
OPENING KEYNOTE PRESENTATION
「ソーシャルメディアマーケティング革命」より
・アディダスUS Head of Digital Marketing クリス・マーフィー氏
・アディダスジャパン ブランドマーケティング シニアマネージャー 津毛一仁氏
オープニングでは、「ソーシャルメディアマーケティング革命」と題するセッションが行われた。スピーカーはクリス・マーフィー氏(adidas US)、津毛一仁氏(アディダスジャパン)の2人。日米のアディダスの事例をもとに、「SNSを活用した企業ブランディングとは何か?」がフォーカスされた。
Head of Digital Marketing
クリス・マーフィー氏
2006年からアディダスUSのソーシャルメディアマーケティングに携わるマーフィー氏によれば、SNS活用型の顧客コミュニケーションにおいて鍵となるのは、(1)「リラックス」、(2)「透明性」、(3)「意外性」だという。つまり、ソーシャルブランディングにおいては、いかにコンシューマーと「親密にやりとり」し、「どの担当者の発言であるかを明確に」し、「驚きと喜びを提供し続けられるか?」という3点がポイントになる。
「キャンペーン型の企業には、次のキャンペーンまでの期間に“谷”を作らないことが求められる。SNSはそこを“高原”にする役割がある」(マーフィー氏)という発言からも、同社のソーシャル戦略の一端がうかがいしれる。津毛氏も「360°(exposure/全方位):365日(frequency/毎日)」をキーワードとして挙げていた。「リラックスしながら」とはいえ、そういったきめ細やかなコミュニケーションを行うためには、担当者の並々ならぬ熱意と努力が求められるのだろう。