Do or Die? ブランドとコンシューマーの
サステナブルなリレーションシップ 

OPENING KEYNOTE PRESENTATION
「Do or Die:ブランドがいかに顧客との関係を築き、持続させるかについて
再校する」より

■キーノートスピーカー
Razorfish チェアマン  クラーク・コキッチ氏

 2日目のオープニングキーノートセッションにはRazorfishのチェアマンをつとめ、タブレットアプリによる著書「Do or Die」を近日リリース予定のクラーク・コキッチ氏が登壇した。

Razorfish チェアマン
クラーク・コキッチ氏

 冒頭、コキッチ氏はあらゆる商品・サービス・ブランドはSpecialty(特化)あるいはCommodity(コモディティ化)の状態にあり、時間の経過によるコモディティ化を広告代理店などはストーリーを語ることによって防げようとしていると指摘。

 そうした現状に対して、コキッチ氏は「話しかけるのではなく、『現実』を変えるために、行動することが広告代理店やマーケッターの仕事だ」と語り、そのための“3つのキーとなるチャレンジ”を提示した。

●Three key challenges(3つのキーとなるチャレンジ)

(1) Redefine the definition of a “Big Idea”.
   ビッグアイデアを再定義せよ

  コキッチ氏は「抜本的なビジネス上の課題を考えなくてはならない」とし、それを知る手段として

・カスタマーは自分たちのビジネスカテゴリの何が嫌いなのか?
・CEOのアジェンダにある3つの最大の課題は何か?
・消費者のより深いニーズを満足させる方法とは?

 という3点を自問する必要があると指摘。そうした取り組みの例として、スキーリゾートのVAILのキャンペーン「EpicMIX」を紹介した。

 このキャンペーンはRFIDの入ったパスを発行し、VAIL(リゾート地)での行動をウェブサイトに集積するもので、どのコースを何回滑ったかを比較したり、友人の居場所などがオンラインで把握できるようになっている。また滑った距離に応じてポイントが与えられランキング化されるという。

 いわば広告によって“スキーの楽しさ”を語りかける(従来型のストーリーテリング)のではなく、カスタマーが楽しいと思える体験そのものを提供するサービス開発だが、これは従来の常識にとらわれないビッグアイデアが「現実を変えた」事例と言えそうだ。