知っておくべき、
ケース素材と仕上げの話

ゴールドのYG、PG、WGの違いは?
ステンレススティールやチタンにも格がある。表面仕上げの代表はポリッシュとサテン。

同じ素材に思えても
実際は千差万別

 古くから使われているのは、性質が安定し、加工しやすいゴールドだ。現在一般的なのは、重量の75%を金が占め、残る25%が他の金属の「18金」という合金。代表的な18Kイエローゴールド(YG)は、25%が銀と銅だ。銀より銅の比率が高まるに従って色がイエローからピンクへと変化する。ピンクゴールド(PG)はローズゴールドとも呼ばれているが、さらに銅のみを組み合わせたレッドゴールド(RG)も存在する。18Kホワイトゴールド(WG)は、合金に銅とパラジウム、あるいはパラジウムのみを用いて作る。

 ステンレススティールは腐食に強く耐久性に優れ、金属アレルギーも少ない316Lや904Lが高グレード素材として知られ、高級時計に使われている。またチタンにも、高級仕上げに適したグレード5チタンがある。セラミックも硬度や耐久性に差異がある。

 表面の仕上げは、鏡面のように磨き上げるポリッシュ仕上げや、細かな線でつや消しにするサテン仕上げが一般的だ。

 

"薄さ"が一つの
トレンドになってきた

腕に着けやすく、高級感もあるドレッシーな薄型腕時計が増えてきた。
シンプルな表示もビジネスに好適だ。

普段使いの腕時計は
薄型を選べば間違いなし

 腕時計のデザインは百花繚乱だが、そこにもケースの大きさやダイヤルの色使いなどに、その時々のトレンドが見られる。

 このところ注目を浴びるトレンドの一つが「薄型」である。大型で存在感たっぷりの「デカ厚」とは対極に位置する傾向である。薄型ケースに、技術の粋を凝らした超薄型ムーブメントを収め、ダイヤルは時刻表示のみというシンプルな腕時計は、高級ドレスウオッチの代名詞として、かつて一世を風靡したことがあったが、そうしたブームの再来を思わせるのだ。

 こうした薄型シンプルウオッチには、さまざまな利点がある。一つは、シンプル故に流行に左右されないエレガントなデザインだ。そして実用面では、手首への装着感が快適で、袖への収まりも良く、また、一目で時刻が読み取れるダイヤルは、ストレスなく使える。これらを考えれば、ビジネスシーンに着ける腕時計として最適だろう。伝統的な機械式のみならず、光発電エコ・ドライブの超薄型も登場し、こちらも注目だ。