広島県に本社があるドリームベッドは、創業以来自社製造にこだわってきた。デザインから製造までを一貫して行うことで、品質の高さとリーズナブルな価格を実現。全米ベッドシェアナンバーワン「Serta」(サータ)でも知られる。

※出所:「ファニチャートゥデイ」(2017年6月出版号)

主力商品であるサータの一デザイン。全米シェアでも1位
ドリームベッド ベッド事業部
西田 豊部長

 ドリームベッドの創業は1950年、そのルーツは戦後の社会奉仕事業にある。第2次世界大戦末期、原爆投下で焦土と化した広島で運よく一命を取り留めた創業者は、引き揚げ者や戦災者に職場を提供するため、練兵場跡の建物に授産共同作業場を作り、教材や生活用品など多くのものをつくっていた。同時に、駐留していた米軍の宿舎で使用されていたベッドやマットレスの修理を行っていた。それが同社のベッド作りの始まりだった。

 「当社の発祥は社会奉仕事業であり、単なる営利目的ではありませんでした。その精神は、お客さまの要望を大切にしながらコストを抑えた自社製造にこだわり、快適で美しい暮らしを提供するという現在の経営姿勢に受け継がれています」とドリームベッドベッド事業部の西田豊部長は語る。

究極の寝心地の良さを実現する
「ジェルメモリーフォーム」

 同社では、現在「ドリームベッド」という自社ブランドの他に、世界中から選び抜いた海外ブランドも扱っている。その代表的な海外ブランドが同社の売り上げの約4割を占めるサータである。サータは全米ベッドメーカーランキング(2016年)で6年連続「全米ベッドシェアナンバーワン」に輝くブランドで、同社は日本で唯一サータのライセンスを保有する“サータ・ジャパン”として独占的に製造販売を行っている。

 サータはなぜ全米1位のシェアを獲得できたのか。その理由はマットレスにある。具体的にはポケットコイルとの組み合わせで使用される「ジェルメモリーフォーム」という詰め物素材が、他社とは違う“寝心地の良さ”を提供しているのだ。

優れた体圧分散性があり復元率が高いサータの「ジェルメモリーフォーム」

  西田部長はその特長をこう説明する。「ジェルメモリーフォームとは、ジェルを組み込んだ新開発の詰め物で、圧力のかかりやすい腰や臀部を中心に、よりバランスの良い体圧分散を促します。また体の凹凸に応じた支持力(アクティブサポート)に優れ、従来の低反発ウレタンに比べて約6倍の通気性があり、約2倍の復元率があります。復元率が高いと寝返りの妨げを軽減してくれる効果があり、体になじむスピードが速いため横になった瞬間の違和感がないのです」