エンゲージメントを構成する3つの要素

 高橋社長によれば、エンゲージメントは、次の3つの要素で構成される。

 1つ目は、「企業の方向性に対する従業員の理解」である。組織目標とチーム・部門の目標がしっかり連動し、従業員自らが判断を行い、受け身ではなく仕事を進めていける状態にすること。そのためには、企業の方針が個人の目標に落とし込まれる必要がある。

 具体的には、企業側が従業員に十分な材料を提供し、被評価者が自ら考えて目標設定をすることである。できれば四半期ごとに上司と話し合いながら加筆・修正し、2次評価者(承認者)がその目標を確定していく。企業の方針を理解することで、従業員と会社の目標が一致し、それが正しいモチベーションを発動させるのだ。

 2つ目は、「帰属意識(組織に対して帰属意識や誇り・愛着の気持ち)」を持つこと。企業への愛着や業務へのやりがいを醸成することで、業務に対するモチベーションは向上する。ここで大切になるのが、上司との信頼関係の醸成である。

「毎朝、経営理念やクレドを唱和しても、企業への帰属意識は醸成されません。大切なのは直属の上司との関係性。どのような企業でも、組織の最小単位である直属の上司との関係性をうまく構築できなければ、帰属意識は生まれません。直属の上司が、自分の市場価値をきちんと評価し、それに報いて給料を上げてくれるかどうかが重要なのです」

 そのためには面談が有効になる。目標内容の達成に向けて前向きな話し合いを行い、方針や業務内容の変更があった際はスムーズに伝達する。何より1対1での面談を行うためコミュニケーションが強化され、それがひいては企業への帰属意識に繋がる。

 3つ目は、「行動意欲(組織の成功のため、求められる以上のことを自発的に行う意欲)」を発揮することである。そのためには、自身で設定した目標を達成することで、最終的に自分の給与にも反映される、という動機づけが重要になる。給与が上がれば、自ら高い目標を設定し、自発的な行動改善が図られるというメリットも生まれる。

「ここで大切なのは、相対評価ではなく絶対評価に基づいて給与を決めること。他のパラメーターは一切入れず、最初から社員にはガラス張りで評価基準を公開。“ゴールポスト”を動かさないことで、行動意欲を高めて行くのです」

 一言でいえば、自発的な行動を誘発する動機づけ(絶対評価)の設定だ。

 これら、エンゲージメント(自発的な貢献意欲)が高い状態とは、社員が自立して成長していくことができる状態、とも言い換えられる。

エンゲージメントを高めるために有用な人事評価制度

 その実現のためには、有効な人事評価制度が必要になる。あしたのチームの人事評価クラウド型運用おせっかいサービス『ゼッタイ!評価®』を運用すれば、エンゲージメントの3つの要素を養うことができる、と高橋社長は保証する。なぜなら、同社の人事評価システムには、トップダウンの項目設定で組織としての方向性を社員に示すことができること、評価制度の運用を通じて上司との関連性の高さを醸成できること、自己目標設定で目標内容に対するモチベーションがUPすること、などの特長があるからだ。

 詳しく言えば、運用負荷を軽減し業務効率を向上する「IT化」、評価の納得感を高める「行動目標の自己設定」、PDCAサイクルを高速で回す「四半期評価」、他人との競争ではなく自己目標の達成度合を報酬と連動させる「絶対評価」、より自分事として取り組める「マイナス査定」などのポイントがある。

 まさに従業員のエンゲージメントを向上させるために最適な人事評価システムなのだ。

 いま厚生労働省では、働き方改革を推進するため、改革の理念を盛り込んだ基本法を作成、次回の国会で関連法案を提出する予定になっている。そもそも働き方改革は安倍政権の看板政策のひとつであり、その基本法には、企業が従業員の職務や能力を明確化し、公正な評価を推進することの重要性が盛り込まれるという。

 あしたのチームでも現在、政府に対して2つの政策提言を行っている。人事評価規定の届出義務化と、転職時における評価データのポータビリティだ。

「人が取れない時代だからこそ、経営者の資質が問われています。人を惹き付ける魅力的な仕組みを社内で構築しない限り、この超売り手市場の中では“人的倒産”の可能性すらあります。とくに中小企業においては、経営者が給与決定権限をリリースせず、社長が決定権を持ち続けると、不利益変更で従業員から訴訟を受けるリスクもあります」

 と、高橋社長は警鐘を鳴らす。経営層と従業員双方に納得感のある人事評価制度を導入し、エンゲージメントつまり経営目標の達成に繋がる自発的な貢献意欲を高めていかなければ、企業の継続的な成長はありえないのだ。

「もはや経営とは人事評価制度である、と言っても過言でありません。今後人事評価制度は社会インフラとしてより重要性を帯びていきます。世の中は既にその大きなトレンドの中にあることを、経営者の皆さんに認識していただきたいと考えています」

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