アドエクスチェンジ(広告枠入札)に代表されるアドネットワークの進化が、今年に入り米国から日本のマーケットにも波及してきた。DSP(Demand-Side Platform)やSSP(Supply-Side Platform)などの新しいプラットフォームは広告主にどんな価値を提供するのか。「ad:tech tokyo 2011」では、サービスの提供者、利用者などそれぞれの立場で先端プレーヤーたちがその将来性を語った。
「アドネットワークスとアドエクスチェンジは、本当にオンライン広告の価値を高めるか?」より
・日本マイクロソフト株式会社 アドバタイジング&オンライン統括本部本部長 味澤将宏氏
・グーグル株式会社 モバイル、メディア&プラットフォーム媒体ビジネス統括部長 佐々木亨氏
・株式会社セプテーニ 代表取締役社長 佐藤光紀氏
・株式会社マイクロアド 代表取締役 渡辺健太郎氏
・株式会社オーネット 代表取締役社長 島貫慶太氏
■モデレータ
・株式会社プラットフォーム・ワン 代表取締役社長CEO
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 取締役CTO 徳久昭彦氏
米国では87%の広告主が
入札で広告枠を購入
米国から端を発したアドテクノロジーは、ネットワーク広告の世界でも急速な発展を遂げている。その顕著なものが、「アドエクスチェンジ(Ad Exchange、広告枠入札)」と「RTB(Real-Time Bidding、リアルタイム入札)」だ。
従来、ネット広告を出稿する際は、はじめに自社商品のターゲットユーザーがいると想定される複数のメディアを広告主が選択、出稿先が決定すると各メディアのフォーマットに沿って入稿し、配信開始後メディアごとに最適化を行い、かつ、配信終了後のレポーティング内容やその分析を個別に行ってきた。
しかし、アドエクスチェンジやリアルタイム入札の登場で、広告主は目的に応じて複数のメディアを横断的に選び、一斉に広告配信することが可能となった。
このテクノロジー発祥地、米国の状況について日本マイクロソフトの味澤氏は、(1)RTBを通して87%の広告主が広告枠のバイイングを行っている、(2)ネットワーク・アドエクスチェンジのディスプレイ広告費の中で20%が自動化されたバイイングの仕組みを使っている、(3)RTB費用は、2010年度に日本円にして250億~270億円の費用だったものが、2011年度には650億円程に達するのではないかと予想されている、(4)4.35%のオンラインでの広告予算がRTBバイイングに使われている、(5)5.43%の媒体がRTBを通しての広告枠の販売を行なっていると報告。アドエクスチェンジを通じての購買している状況が定着してきたと述べた。