不確実時代を勝ち抜く企業経営の本質を議論会場は詰めかけた本誌読者で満席となった

ダイヤモンド社が主催するDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー・フォーラム『生き残る企業の条件 ―企業変革を迫られている今、経営者は何をすべきか―』が2017年11月20日、東京・経団連会館で開催された。その模様を紹介する。

 技術革新や事業構造の変化、ディスラプターと呼ばれる破壊的イノベーションを有する新興企業の登場などにより、多くの企業はかつての競争優位が維持できず、生き残りをかけた変革を迫られている。だが、「こうすれば成功する」という解はなく、経営者は時代の先を読む深い洞察と、仮説と検証を繰り返しながら問題の本質を見抜いて進むべき道を選択し続けなければならない。

不確実時代を勝ち抜く企業経営の本質を議論基調講演を行った
ミスミグループ本社 取締役会議長の三枝匡氏

 生き残る企業の条件とは何か? そのヒントを提示してもらうべく、本フォーラムではミスミグループ本社 取締役会議長の三枝匡氏による基調講演が行なわれた。

「事業再生専門家」として数々の企業再生を支援し、また、自らも経営者としてミスミを社員340人の商社から1万人を超えるグローバルカンパニーに育て上げた三枝氏は、『世界の「事業革新のメガトレンド」と日本企業の強さ再構築』と題する基調講演で、真の経営リーダーになるための要件と企業変革を成功に導くための要諦について述べた。

【パネルディスカッション】
“VUCA時代”を生き抜く、次世代経営のあり方を討議

 フォーラム後半では、サッポロホールディングス 取締役経営管理部長の征矢真一氏、ルネサス エレクトロニクス 執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)の柴田英利氏をパネリストに招き、『VUCA時代を生き抜く次世代経営のあり方を考える』と題するパネルディスカッションを行った。
 VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(不明確性)という4つの言葉の頭文字を取った略語である。ひと言に集約すれば、「想定外の出来事」ということになろうか。

 ディカッションの進行役を務めた日本オラクル バイス・プレジデント クラウド・インサイト本部の前川敦氏は冒頭、「今日の企業経営は、価格や需要の急変動、突然の災害やサイバーアタックなど、さまざまな想定外のリスクにさらされている。まずは、お二人が肌身で実感しているそれぞれの業界の想定外の動きについて語っていただきたい」と問い掛けた。

 柴田氏は「ルネサスでは経営が交代した2013年ごろから、エンドマーケットの先行きが比較的読みやすいと思われた自動車や家電、産業用機械関連の半導体製造に軸足を移してきたが、最近はこれらのマーケットも先が読みにくくなってきた。とくに自動車や家電については、最終プロダクツの需要が消費者の嗜好の変化とともにめまぐるしく移り変わり、その影響が半導体の需要にも及んでいる。半年先の需要の変化をいかにとらえ、不確実性に対応していくかという点が非常に大きな課題だ」と述べた。