標準化した業務をAIDCに集中し
業務の効率化を図る

150席が確保されたセンターの全体風景。3月決算企業の監査業務にあたる4月~5月に需要のピークを迎える

 具体的には、監査先企業の個別対応が不要な基礎的な入力、チェック業務や機械的な作業を標準化し、それらの業務をAIDCで新たに採用した社員が集中的に行なうことで、業務の効率化を図る。

 AIDCは2017年11月から社員のトレーニングを開始しており、今期3月決算(2018年3月)に対応する人員はすでに確保済み。現在はPCデスク30席が稼働、続いて2018年11月までに150席、2019年11月までに250席の体制を目指す。

 繁忙期は業務時間を7時~23時とし、1日2~3人のオペレーターがシフト勤務、つまり同じ席で1日に2~3人が働くことになる予定。また、この期間は土日祝日も業務を続け、監査現場をサポートしていく。 

「2021年5月までに、トーマツの公認会計士が関与する年間業務時間の10%を補完できる支援体制と手法を確立する」(丸地本部長)のが当面の目標だ。

地域密着型のセンターを目指し
新たな人事制度も導入

 AIDCは地域密着型を目指し、社員は基本的に地元の千葉県民、千葉市民を中心に採用している。前述したとおり、繁忙期には業務時間が早朝から深夜に及ぶため、職住接近が望ましいというのも理由の1つだ。

 採用に関しては、「会計やファイナンスなどの資格やスキルを重視しているわけではありませんが、資格保有者は一定のプラス評価になります。ただ、今のところスーパーバイザーに関しては金融機関の事務センターなどに勤めた経験のある人を採用しています」(矢部誠・AIDCセンター長)。

 多様な人材が働きやすい職場環境を目指し、AIDCに特化した人事制度も導入している。例えば、子育て中の母親が働きやすいように、子供の夏休みに合わせた2ヵ月休暇がとれる就業体系(BH型)や、働けるときだけ働きたい人に向けた2カ月ごとの有期雇用(TM型)など、自身や家族の状況に応じた雇用形態を新設。さらに、理由を問わず、定期的(年2回)に雇用体系を変更できる制度も設けている。昨今の働き方改革の流れに対応した取り組みといえるだろう。