情報システム改革でもHIT法が大きな役割を果たす
HIT法の活動スタートから2年が過ぎ、全社平均で25%程度の作業工数の削減が実現した。まずは当初の目標30%を達成することが課題だ。しかし30%は通過点に過ぎず、最終的には50%削減を加藤社長は目論んでいる。
そのために現在取り組んでいるのは、業務を連結させてより大規模な改善を行う「BPR」だ。BPRを実施するには、これまで人力で処理してきたあらゆる業務をシステム化する必要がある。システム改革を行ううえでもHIT法は有効だ。
通常のシステム開発では、ユーザーの業務が整理されないまま、そこに無理やり当てはめるかたちでシステムが設計されることも多く、それでは業務改善の効果は十分には得られない。また、システム開発者とユーザーの意思疎通も問題だ。分析フェーズではシステム開発者がユーザーにヒアリングを行うが、数時間程度話を聞いただけでは業務を十分に理解することは難しい。
業務分析や要件定義で曖昧さが残されたまま設計に入ってしまうと、プログラムができあがってから仕様書の作り変え・プログラムの変更という手戻りが大量に発生する。システム開発のスケジュールや予算が当初よりオーバーしがちなのはこのためだ。
「HIT法を使えば、ユーザーと情報システム担当者はHIT法という共通言語を使って話ができるので、要件定義を的確かつ短時間で終えることができ、手戻りも発生しにくくなります。また、業務のムダを徹底的に排除し、業務プロセスがシンプルになった時点からシステム開発をスタートできます。シンプルな業務に合うようなパッケージ製品を探してくればいいので、システム開発費も抑えられると考えています」(加藤社長)