インテリアはクオリティが高い。ピアノブラックのセンターコンソールはシックな装いで、シートの座り心地はしっとりとしている。アウトランダーPHEVのユーザーは、富裕層が多いという。プレミアムな製品に慣れたユーザーの期待と要望に応えるために、質感を高めたのだという。

前後席ともゆったりとした空間でくつろげる 凹凸でサポート性を高めた本革シートはSエディション専用タイプ

 パフォーマンスの特徴は、電動走行性能が高い点だ。市街地を走行する場合、ほぼモーターだけで駆動する。発進と停止はじつに滑らかで、ロードノイズ対策をはじめ遮音性は高い。電動走行のメリットを実感する一方で、デメリットはほとんど感じられない。i-MiEV(09年発売)などで培った豊富な電動車両経験がいかんなく発揮されている。

 走行シーンを高速道路に移し、アクセルペダルを深く踏み込むと、エンジンが始動する。エンジン音と振動は小さく抑えられ、エンジンの存在を忘れてしまうほど。そのフィーリングはプレミアムレベルだと確認できた。

(1)エンジンルームは2リットル直4DOHC16Vガソリンユニットと82psのモーターを巧みにレイアウト 前後輪の駆動トルク配分はランエボで培った技術を活用
(2)バッテリーチャージモードやセーブモードのスイッチを配置
(3)レーダーとカメラで前方車や歩行者を検知
(4)悪路や雪道でも選択できる
(5)Sエディションはダーククローム調塗装の18インチアルミ+225/55R18タイヤ
(6)専用開発ビルシュタイン製ダンパーを採用して走りの質感を追求
(7)80%急速充電は25分 普通充電は4時間

 穏やかにショックを吸収するサスペンションの効果で、乗り心地は優しい。しっかりした直進安定性に加え、レーダークルーズコントロールと車線逸脱警報システム、後側方車両検知警報システムなどで構成する運転支援システム、e-Assistが装備されているので、安心してロングドライブが続けられる。

 バッテリーを床下に搭載したアウトランダーPHEVの重心は低い。そして前後にモーターを装備した4WDシステムと、ランサー・エボリューション譲りの電子制御4輪制御システム(S-AWC)がもたらすグリップ性能は安定している。回生ブレーキは、パドルを使って減速度合いを6段階に調整できる。

モーターの力強い加速はPHEV特有のテイスト ユーザー側の特別な対応は不要 自然な感覚で乗りこなせる
精悍なイメージのホワイトパールとブラックマイカの2トーンボディカラーはSエディション専用op8万6400円