食品事業に新規参入した帝人が仕掛けるスーパー大麦「バーリーマックス」。健康意識の高まりを背景に、“腸活ブーム”の立役者として食品メーカー各社が注目を集めている。
スピード感を持った商品開発で
ブームを牽引
シリアル市場が急成長中だ。2010年に255億円だった出荷額は年々増加し続け、16年には621億円に達している。この成長を牽引するのがグラノーラであり、出荷額はシリアル市場全体の約7割を占めている。
そして今、メーカー各社が注力するのが、新たな“機能性シリアル”のカテゴリーだ。いち早く動いたのが、日清シスコである。同社が16年12月に先行販売した「スーパー大麦 グラノーラ」は、スーパー大麦「バーリーマックス」を1食(50g)当たり4g配合し、1日に必要な食物繊維の3分の1以上を摂取することができる。通常は半年以上かかる開発を、3カ月という驚異的なスピードでやってのけた異例の商品だ。
その理由を、マーケティング部 第二グループの松長直樹ブランドマネージャーはこう語る。
マーケティング次長 兼
第2グループブランドマネージャー
松長 直樹
「ゴールデンタイムの特番で“腸活”の特集とともにバーリーマックスが紹介された日、当社のお客様相談室には100件を超える問い合わせが殺到しました。オーストラリアで開発された、可能性のある機能系素材としてスーパー大麦の使用を検討していたこともあり、流れが来ていると確信しました」
消費者の熱が冷めないうちにスピード感を持って発売した同商品には、“機能への実感”という予想以上の反響があったという。
「グラノーラはフルーツ系が急伸していましたが、ここ1、2年は落ち着いていました。当社としては、消費者の健康意識の高まりを背景に、次に注力すべきカテゴリーは機能系であると予測していました。そんなときに、バーリーマックスがちょうどマッチングしました」
17年11月、充分な原料確保の目途が付いたことで、「スーパー大麦 グラノーラ」をリニューアルし、1食(50g)に1日の摂取目安量である12gのバーリーマックスを配合した。こだわったのは、機能と品質の両立。バーリーマックスと相性のいいアーモンドのフレーバーを新たに開発し、美味しさも追求した。
さらに、バーリーマックスは“スーパーフード”でもあることからグラノーラという「おいしく」「手軽に」「習慣的に続けられる」スタイルでスーパーフードを毎日の生活に取り入れるというコミュニケーションのもと、ママでありモデルである蛯原友里さんを起用したプロモーションを実施している。
「グラノーラの認知度は80%超ですが、認知購入者はその半分程度。しかし、その分まだまだ伸びしろがあるということです。機能面をPRできる商品で、新たなユーザーを開拓していきたいですね」