高い為替的中率と
直感的に理解できるUI

じぶん銀行
榊原一弥 執行役員
決済・商品開発ユニット長

 開発の経緯について、「世界的な低金利時代にあって、為替差益を追求できるベストなタイミングで取引できるツールの提供は、ここ数年の課題であり、そのソリューションを検討し続けてきました」と、同行執行役員決済・商品開発ユニット長の榊原一弥氏は語る。

 そこでタッグを組んだのが、米国シリコンバレー発のスタートアップ企業、AlpacaJapan(アルパカ社)だ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が15年に設立したフィンテックスタートアップ企業の支援プログラム「MUFGアクセラレータ」1回目のプログラムに参加して同社メンターを務めた榊原氏は、画像認識や機械学習などの技術・ノウハウに着目し、その高い技術力を生かしたサービス開発に向け、共に取り組むことになる。

 とはいえ、情報の精度の高さはもちろん、「スマホならではのUI(ユーザーインターフェース)向上も両立させるため、試行錯誤の繰り返しでした」。開発推進担当者として従事した満尾芽依氏(決済・商品開発ユニットIT戦略部主任)はそう振り返る。

じぶん銀行
満尾芽依
決済・商品開発ユニットIT戦略部
主任

 満尾氏は同プロジェクトの発足に際し、IT企業から転身。「実は、数字も大の苦手でした(笑)」という、バンカーとしては“異端”ともいえる業界の常識にとらわれない発想を強みに、外貨預金の初心者であっても、ストレスなく使えるサービス内容、UIにとことんこだわったという。

 こうして生まれたのが、AIが予測した為替変動の結果を3種類のアイコンを用いてヒートマップとして一覧表示する分かりやすい画面だ。対象通貨は5通貨で、1時間以内、1営業日以内、5営業日以内(月曜日~金曜日)の3期間別に変動を予測。「直感的に理解できるアイコン、詳細画面では高値・安値の為替レートが分かるなど、細部にわたり工夫を凝らしています」と満尾氏は語る。

 また、「まずは為替の世界に親しんでいただく入り口として、操作ガイドなしでも使えるように、あえて機能や表示内容を絞り込んだ」(満尾氏)のも特徴だ。