なぜ今、その分野で英語力が求められているのか。IT系の求人では、グローバル事業を展開する企業のシステム、サービス開発が多かったり、海外の優秀なエンジニアと協働してプロジェクトを進めるケースが増えている。また新しいテクノロジーやサービスは海外にあり、それを活用・習得するには英語力が必須となる。また製造業は、海外拠点を持つ企業が多く、英語力が問われるケースが増えている。

年収が高くなるにつれて、TOEICⓇ高得点者の割合が多いことが分かるが、必ずしも英語力が高い=年収が高い、とはいえない。仕事のスキルや専門性の高さがあり+英語力、という“十分条件”が高収入の理由といえそうだ

 「売り上げの多くが海外市場にある企業の場合、本社が日本国内にあっても、事業がグローバル化しており、コミュニケーション手段が英語になっている企業もあります。さらに、独自サービス展開するIT系ベンチャー企業では、最初からグローバル市場を意識しているケースが多く、そこでも英語力が求められます」

 ちなみに企業によっては、英語力上級のエンジニアを求めているが、英語力中級で読み書きができて“英語をしゃべる意思があれば”採用する、というところもある。

 「特に若手の場合は、社内で働きながら英語力を向上していくこともあります。英語力上級を持った社員が少ない会社であれば、TOEIC730点ほどあれば、英語力が求められる業務に関わりやすい可能性があります。ただしマネジメント層の求人では、やはりブロークンな英語コミュニケーションではなく、最初からビジネス交渉ができる程度の、実践的で正確な英語力が求められる傾向があります」