強力なパートナーと組んで、 満を持して旭化成がAEDの普及に参入した。
日本における救命救急医療発展の一翼を担いつつ、同社グループのいっそうの成長を目指す。

  旭化成といえば、「サランラップ」から「ヘーベルハウス」まで、事業領域の裾野がじつに幅広い。この日本有数のコングロマリットが特に注力するのが医療の分野だ。

企業の社会価値を
創出する分野へ進出

吉田安幸
旭化成 取締役兼専務執行役員

 2011年4月に同社内で発足した「これからの医療」プロジェクトを統括する吉田安幸・取締役兼専務執行役員はこう説明する。

「今年創立90周年を迎える旭化成グループは、化学肥料、合成繊維、石油化学、建材、住宅、医薬医療、エレクトロニクスなど、常に時代の要請に応える事業を展開してきました。今後、新しい社会価値を創出するうえで重点的に取り組むべき領域の一つに定めているのが医療です。昨年から始まった中期経営計画でもこの分野の拡大を成長戦略の柱に据えており、既存事業の枠組みにとらわれないグループ横断のプロジェクトを立ち上げることとなりました」

 1954年に初の国産抗生物質を開発して以来、旭化成グループは医薬・医療機器部門でも高実績を残してきた。これら既存事業に加えて新規分野にも積極参入する計画なのだ。