IT化の進展により、日々膨大なデータが生成されている。そうしたビッグデータを活用したビジネスに、多くの企業が取り組んでいる。資産運用やライフプランの分野で先進的な活動を行っているのが、キャピタル・アセット・プランニングだ。個々人向けにパーソナライズされたライフプランをシミュレーションできるスマートアプリ「Life Sweet」を開発した同社に話を聞いた。

長寿リスクに備えた
ライフプランへの転換を

 超高齢社会に突入した日本は、世界に先駆けて人生100年時代を迎えようとしている。だが、長寿であることは決してバラ色だけでない。

「定年後、数十年に及ぶ老後の生活を資金面でどう担保するか。これまでのライフプランの考え方を改める必要があります」と指摘するのは、キャピタル・アセット・プランニング(以下、CAP)代表取締役の北山雅一氏だ。同社は1990年の創立以来、FT(金融工学)とIT(情報技術)の統合をミッションに掲げ、生命保険会社や銀行など金融機関向けにシステムソリューションを提供してきた。

平均値、統計値ではなく、個々人の状況に応じたパーソナライズしたライフプランで「老後破産」を回避キャピタル・アセット・プランニング
代表取締役
公認会計士 税理士
日本証券アナリスト協会検定会員
北山雅一氏

 従来は一家の生計を支える世帯主の死亡リスクに備え、生命保険の死亡保障に重点を置くライフプランニングが主流であった。だが、人生100年時代になり、「100歳まで生き長らえる長寿リスクに対して、いかに個人の資金面で備えるかが大きな課題になり始めています」と北山氏は述べる。数年前に話題になった「老後破産」への不安は決して他人事ではない。

 北山氏は、従来の死亡保障に重点を置いたライフプランから、生き長らえるリスクに対応するため、国内外の株式・債券に分散投資するアセットアロケーション(資産配分案)重視型ライフプランに移行していくべきと提案する。

 そこで、人生100年時代に対応するライフプランづくりを支援するツールとして、スマートフォン向けアプリ「Life Sweet」を開発。定年後の長寿リスクに備えるサラリーマン層などの利用を見込んでいる(3月下旬リリース予定)。