どこでも自由に働け、
生産性も向上

 私物端末の社内持ち込みを認める制度(BYO:BringYourOwn)も導入して、社員の好評を博している。

「業務に必要なデータやアプリはすべてシドニーにあり、端末はそれを呼び出して表示するだけ。そのため使いなれた私物のPCでも問題ないのです。PCをデータごと紛失するといったトラブルも防止でき、万が一PCが壊れても、別の端末からデータを呼び出せます」(伊藤氏)

 フレキシブルに仕事をすることによって、社員は時間のやりくりが上手になるばかりか、実際の会議の集中力が格段に上がり、「次に聞けばいい」という甘えた意識がなくなったという。

 時間や場所、さらには端末にまで自由度を持たせるフレキシブルワークの実践に当たり、管理する側としてはどのような点に留意しているのだろう。

「時間、端末、セキュリティの三つだけは管理しろと言いますが、ルールはこれだけ。結果さえ出してくれれば、細かな点は個人に任せます。フレキシブルワークをやる側、やらせる側が共にハッピーになるためには、ITシステムの整備に加えて制度もフレキシブルにしていくことが望まれます」(伊藤氏)

 同社のデスクトップ仮想化とクラウドの技術は、金融機関、自治体や医療の現場、グローバル化に伴うオフショアの現場などあらゆる分野に広がっている。