「仕事内容も職場環境も魅力的だが、知名度が低く、応募者が集まらない」。多くの中小企業経営者、採用担当者に共通する悩みだが「待ち」の姿勢の非効率な採用手法はもはや限界であり、採用現場にも効率化、生産性向上という視点が必要になってきた。「採用の生産性を上げる方法」とは?

「いい会社だと胸を張って言えるのに、知名度の低さのためになかなか中途採用が難しくて悩んだ」とうフォルシア。採用数が3倍に増えた理由とは?

いい会社なのにとにかく人が来ない!

 人手不足が社会問題化する中、特に中小企業の採用に関する悩みは深刻だ。「仕事内容も職場環境も魅力的なのに、知名度が低く、とにかく応募者が集まらない。なかなか採用が上手くいかない」。これが多くの中小企業に共通する嘆きだろう。検索エンジンを開発するフォルシアもそうした企業の1つだった。

「見つからない」を解決する検索エンジン「Spook(スプーク)」。その開発を行う同社は、顧客企業が持つ膨大で複雑なデータに合わせた最適な検索ができるセミオーダーメイドの検索エンジンを提供することに強みを持つ。
「あらゆる条件や組み合わせを自由に、しかも0・1秒で検索できる。条件が複雑になるほど実力を発揮できる検索エンジンです」 

フォルシア
屋代浩子
代表取締役社長 CEO

 CEOの屋代浩子氏はこう説明する。同社ならではの、もうひとつの特長として、「プロジェクトの初期段階から納品まで終始一貫してお客様ごとの担当エンジニアが関与することによって、お客様の求める最高のパフォーマンスを実現すること」(屋代氏)がある。システム開発では一般的な分業制を採らず、外注もしない。製品と開発スタイルが高く評価され、顧客企業にはそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

 そうした事業を可能にしているのは、まさに人材だ。屋代氏は、自社の人材育成について、こう語る。
「当社が求める人材は、不可能を可能にする技術力と突破力、お客様のニーズを引き出すコミュニケーション力、そして伸びしろがあること。その全てを持っていなくても、一人ひとりがプロフェッショナルとして成長するために、できる限りの支援もしています。社員は家族。一人ひとりの成長に責任を持ちたいと思っています」(同)
 その証拠に、社員たちも「仕事が楽しい」「自分と会社の成長を肌で感じる」「社員を大切にする会社」と口にする。仕事のやりがいや働きやすさを実感しているようだ。
 ビジネスも成長し、社員の満足度も高い同社。にもかかわらず、「BtoBの小さな、知名度も低い会社なので、大きな媒体に募集広告を出して待っていても、求める人材に出会えない」(同)のだ。