「リクルートキャリアが開発した独自のAIシステムが企業に最適なスカウト候補者をピックアップして紹介してくれるだけでなく、リクルートエージェントに登録している候補者のデータベースを直接検索することもでき、自分で候補者を探すなど、能動的に動けたのもよかった。候補者のレジュメ(自己紹介文)からその人のセンスが伝わってくるので、それを判断材料にすることもできます。ピックアップされた候補者に対して『面接に来て欲しい』『興味がある』『興味なし』を選ぶだけでいいという手軽さも大きな魅力です。空き時間にスマートフォンでスカウト判定作業を行うこともありました」(外山氏)
判定をつけた候補者には、リクルートエージェントがスカウトメールの送信を代行する。そのため、企業側がスカウト文面を作成するなどの手間は不要だ。候補者から応募があった際の連絡や面接日程の調整はもちろん、企業と応募者の双方が納得して入社するまでの条件や意思決定に関わる事務作業なども、すべてリクルートエージェントが行ってくれる。選考業務で忙しい採用担当者にはとても有り難い仕組みだ。
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それだけではない。企業側の判断内容をAIが学習するので、使えば使うほどAIからの紹介精度が向上する。つまり、使い続けることで、採用業務の生産性が改善していくのだ。
「リクナビHRTech転職スカウトを利用したことで、以前は年間2~3人だった中途採用数が、10人程度に増えた」と外山氏。3倍以上に増えた計算だ。屋代氏も、「急に中途採用の面接が増えたので、ビックリした」と話す。
「さらに驚いたのは、出会える人材の質が確実に上がったことです」(外山氏)
リクルートキャリアによると、1日5分程度の“スカウト判定”を毎日続けることで、採用数が劇的に改善する傾向があるという。検索機能で使用した条件を保存しておけば、その条件にマッチした新規登録者を通知してくれるので、候補者の意欲が高いタイミングを逃さずにアプローチすることも可能だ。
「応募者選びに集中できるうえ、採用率も飛躍的に上昇しました」と外山氏は強調する。
最新鋭のテクノロジーを活用することで採用手法を効率化し、生産性を上げることで、人材の質が上がり、会社全体の生産性も上がる。「人事部の生産性革命」を起せるか否かが、人手不足時代を乗り切るカギと言えるかもしれない。