金融機関とフィンテック企業の
自由な交流の場も提供

 NTTデータがこうした基盤を立ち上げたことには、金融機関とフィンテック企業の双方にとって深い意義がある。

 同社は長年、金融機関の勘定系やオンライン系のシステムを数多く手掛けてきた。実績に裏付けられた万全のセキュリティは、信用が生命線である金融機関にとって何物にも代え難い。

 一方、フィンテック企業にとっては、NTTデータの基盤に接続することで、より多くの金融機関と協業の接点を得ることができる。こうしたメリットを提供できるのは、ほぼ全ての金融機関のシステムを手掛けてきたNTTデータだからこそだ。

2017年に開催された
第2回「OpenCanvasフォーラム」の様子
(写真提供:NTTデータ)

 さらに、ただ基盤を提供するだけでなく、3カ月ごとに「OpenCanvasフォーラム」を開き、金融機関とフィンテック企業とのマッチングも支援している。

 またNTTデータは、自らもOpenCanvasを使って、金融機関やフィンテック企業向けにサービスを提供している。その一つが「AI Connector」(AIコネクター)と呼ばれるサービスだ。複数のAI同士を接続することで、より高精度な分析や、サービス開発の負担軽減を可能にするという。

「高度な基盤やサービスを提供して、日本発の革新的な金融サービスが次々と生み出される環境づくりをお手伝いしたい」と八木原氏は語る。

創業30周年を迎え
新たな挑戦へ

 OpenCanvasが象徴するのは、高度な信頼性や安定性が要求される金融業向けシステムを長年手掛けてきたNTTデータが、新しい金融サービスの創発を支援するために、敏捷性に富んだシステム作りへサービス領域を広げつつある姿だ。これは、宮本氏が言うシステム開発の「新たな二つの潮流」に沿った取り組みに他ならない。

 NTTデータは今年5月、創業30周年を迎える。

 大型で堅牢なシステムを長年開発し続けてきたことへの信頼は高く、オープンイノベーションに柔軟に対応する姿勢にも注目が集まる。同社はこれからも、ITのさらなる普及、日常化を力強く支援し続けることだろう。

問い合わせ先
提供/株式会社NTTデータ
● OpenCanvasに関して
第四金融事業本部
e-ビジネス商品企画営業担当 岡村、渡辺、今
電話 03-5484-4321
● マークロジックに関して
第四金融事業本部 企画部 事業開拓推進室
http://abler.nttdata.com/
メール abler.prom@kits.nttdata.co.jp
電話 050-5547-9140