――ソーシャルネットワークの先駆けと言われた実験的なプロジェクトですね。

松尾 当時はまだ「人脈は俺の資産だからシェアしない」といった発想が強く、商社にシステムを作ることを提案しても受け入れてもらえませんでした。そんな中で名刺をスキャンしてデータ化するSansanさんが登場して、すごいなと思いました。データ化することはデータ活用の出発点ですから、コストをかけてでもやったほうがいいのです。

 今はスマホやソーシャルネットワークが普及したことで、オンラインでつながることに対する心理的障壁も下がり、人脈のデータが活用しやすい環境が整ってきました。人を知るためには日々の活動を見ることが一番ですが、そのために人脈と仕事を紐づけることがますます大切になっています。

――日々の活動の中で名刺情報をデータ化するSansanのサービスはまさに人脈データを活用する基盤として提供されています。さらに最近ではAIを活用して、次に会うべき人を示唆すると言った機能も追加しました。

松尾 人脈を会社としての資産と捉えて活用しようとすれば、AIによるレコメンド機能を加えるのは当然の流れでしょう。

 時間はかかるかもしれませんが、結果的にどうだったのかをトラッキングすることで、AIの精度を高めて、双方にとってメリットのある示唆が提示できるようになれば、企業としての競争優位につながっていくはずです。今後の展開を楽しみにしています。

仕事と人脈を紐付け
名刺を企業の資産に変える
Sansanの法人向けクラウド名刺管理サービス

 本文でも言及された「仕事と人脈」の重要性。その人脈を象徴するのが「名刺」だろう。

 名刺には、当然相手の役職や連絡先といった顧客情報が記載されているが、実は名刺が持つ価値はそれだけではない。まず、その名刺を所有している人と相手との接点情報がわかる。さらには、その人がどのような名刺を所有しているによって、名刺所有者のナレッジや経験などの“強み”を知ることができるツールでもあるのだ。

 Sansanは、全社員の名刺を集約することで、名刺を”価値ある資産”へと変えるクラウド名刺管理サービスである。それによって期待できる効果は主に三つ。

“思い込み”による組織運営から脱却しデータに基づいた合理的な経営を

 第1は、社内の人脈を可視化し組織的な営業活動を可能にすることで、営業のチャンスが広がる。部門を超えて名刺情報を共有すれば、アップセル、クロスセルの可能性も向上するだろう。第2は、全社員がいつでもどこからでも名刺情報を活用できるため、生産性の向上が期待できる。そして第3が、名刺情報を基にSansan上で社内のコミュニケーションが進化することだ。

 Sansanはすでに業種・規模を問わず7000社以上で導入実績があり、受注率向上、作業時間の短縮、コラボレーションの促進など、さまざまな効果が報告されている。

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