利用者に「オドロキ」を与える
独自のソフトウエア技術

 同社のソフトウエア技術は、単なる製品という「モノ」ではなく、使う人の「ココロ」を動かすプログラムだという。「こんなに簡単に使えるのか」というオドロキをユーザーに感じてもらえるソフトウエアづくりが、イノベーションにつながる。そんな思いが同社のスローガンである「Surprise First!」に込められている。

 そして、絶え間ないイノベーションと先進的なソフトウエア技術により、IT業界において他社の追随を許さない確固たるポジションを築いている。ユーザーに驚きを与える独自のソフトウエア技術と価値あるIT活用への強い思いで新市場を創出してきた。「他社にキャッチアップされない先進技術を持ち、常にトップランナーでいることが、ソフトウエア市場で高いシェアを獲得する原動力になっているのです」と内野社長は語る。

中国市場で価値ある
情報活用を提案

 同社は日本市場だけでなく、世界を視野に入れている。その第1弾として、IT産業が急成長する中国市場に注力。中国では近年、統合基幹業務システム(ERP)の導入が急速に広がっているという。

「日本と同様に中国でも、ERPなどの情報を経営にどう生かしていくかが企業の課題になっています。当社のソリューションを通じ、中国企業に価値ある情報活用を提案しているところです」と内野社長は中国での取り組みを話す。

 すでに上海と大連に現地法人を構え、中国版の「SVF」と「Dr.Sum EA」を提供。いわば国産ソフトの海外輸出だが、すでに流通や製造など数十社に及ぶ中国企業が導入している。また、中国の大手通信会社と連携し、新たなクラウドサービスを開発する構想もあるという。

「MotionBoard」の画面例 情報活用を促進していくためには、ユーザーに合わせてさまざまな角度からデータを表示、自由に活用できる仕組みが必要になる。MotionBoardはスマートデバイスに対応、外出先や出張先からタイムリーに必要な情報を活用できる。通信が途切れたオフラインでも情報を参照できる機能を備える。
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 日本国内においても、クラウドサービスに注力。すでに同社のソフトウエアを組み込んだクラウドサービスを提供する事業者もある。さらに「自社のクラウドサービスを準備しており、セキュリティサービスを含め、企業が安心して情報を活用できるIT環境を整えていきます」と内野社長。

 また、クラウドサービスの広がりとともに、情報活用のツールも多様化している。スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスをフルに活用すれば、スピーディーな意思決定が可能になる。情報をわかりやすく表示する「MotionBoard」は電波の届きにくい場所でも途切れずに、情報活用が行える仕組みを採用し、ビジネス活動を支援する。

 従来にないオンリーワン、市場でナンバーワンの思いを込めて名付けられた1stホールディングスの、今後の取り組みに注目したい。