ウイルスや不正侵入、ワンクリック詐欺など、インターネットの脅威は広がる一方だ。また、SNSを悪用した攻撃やスマートフォンを狙った不正なWebサイトなど、新たな脅威も相次いで出現している。そうした中で、安心・快適なデジタルライフを楽しめる環境を構築するには、どうすればいいのだろうか。
インターネットは便利な反面、危険も多い。スパムメールを送り付けて不正なWebサイトにアクセスさせる、あるいは正規Webサイトを改ざんして別サイトに誘導し、不正プログラムをダウンロードさせて金銭や情報を盗み取るといった手口も数多く報告されている。こうした被害を防ぐには、怪しいサイトに近づかないことはもちろんだが、不正プログラムを検出するセキュリティソフトを正しく使うことも重要だ。
パソコンを対象とした脅威だけでなく、スマートフォンやタブレット端末のセキュリティリスクも顕在化している。これらスマートデバイスはパソコンと同様にフルブラウザを搭載しており、フィッシングサイトなど不正サイトに誘導され、被害に遭うリスクもある。
加えて、Android端末の場合、アプリを通じた不正プログラムの感染リスクも指摘される。トレンドマイクロでは、2011年末で1000種類を超える不正プログラムを確認しているという。
クラウド活用による
「軽さ」と「安全性」
こうしたインターネットのリスクに対し、セキュリティ製品を取り扱う販売店ではどのように見ているのだろうか。ビックカメラ新宿西口店の杉山智之副店長に聞いてみた。
「パソコンにセキュリティソフトが必要なことはほとんどの方がご存じですが、スマートフォンのセキュリティについては知らない方も多く、新聞やニュースなどで不安になって相談に訪れるお客さまが最近増えています」
こうした状況に、各ソフトベンダーもいち早く対応している。例えばトレンドマイクロでは、Android端末のセキュリティを守る「ウイルスバスター モバイル for Android」を提供、パソコン用の「ウイルスバスター2012 クラウド」とのセット商品も販売している。
一方、セキュリティソフトはさまざまなメーカーから製品が出ている。どのような基準で選べばいいのだろうか。
「それぞれに長所がありますから、お客さまの要望に合わせてご紹介しています。『ウイルスバスター2012 クラウド』の場合、クラウド技術を活用して動作が軽くなっているので、お薦めしやすい製品ですね。3年版であれば1年当たりの価格も低く抑えられてお買い得です。日本での実績と知名度も高く、安心感があります。当店では、お客さまのサポートにも力を入れておりますので、お気軽にご相談ください」
ここで杉山副店長の言う“クラウド技術の活用”とはどのようなものなのだろうか。ウイルス対策では、パターンファイルと呼ばれるウイルス定義ファイルが重要な役割を果たす。これと各ファイルとの照合でウイルスを検出するのだが、その数は膨大なため、パソコン本体の動作を重くすることもある。