(左) トノウ カーベックス パーペチュアルカレンダー 25th
女性顧客のために創作した「トノウ カーベックス」の初代モデルに搭載されていた複雑機構の一つは永久カレンダーだったという。このエピソードと伝説の2851ケースを融合して現代に再現。18KYG、ケース縦45ミリメートル×横30ミリメートル、自動巻き、限定25本。604万8000円(税込み)
(右) トノウ カーベックス 25th
前ページと同モデルのイエローゴールド・バージョン。ブランドのアイコンを演じる放射状にデフォルメされたビザン数字は、現行デザインより繊細で控えめなスタイル。これも記念限定モデルならではの特徴。18KYG、ケース縦45ミリメートル×横30ミリメートル、手巻き、限定25本。243万円(税込み)

 天才時計師として注目を浴びていた若きフランク・ミュラーがこのデザインを創作したのは、自身のブランド設立以前のこと。親しいコレクターの夫人からの依頼で独自のデザインを模索していたときに3次元曲線で構成されたトノウ型腕時計を考案したのである。それは、平面的なトノウ型ではなく、真上からはもちろん、横からも斜めからも、あらゆる角度から見て、曲線が優美なシルエットを描き、立体感が際立つ絶妙なフォルムだ。まるで球体から切り出された彫刻を思わせる独創的でエレガントなトノウは、世界初の形だった。数々の複雑機構で世界初を達成したフランク・ミュラーは、腕時計のデザインでも世界初の快挙を成し遂げたのである。

 メカニズムと同時に、外観の美しさや着けやすさでも究極をいく「トノウ カーベックス」。今や多様なサイズを展開する中で、ヴィンテージの2851は、縦45ミリ×横30ミリという、大き過ぎず小さ過ぎず、日本人の腕にも程よい大きさ。各25本限定の記念モデルは、今後同じものが作られる可能性はないという。希少な逸品という意味でも究極の腕時計だ。

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フランク ミュラー ウォッチランド東京
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