このように大幅な目標未達に終わりそうなコメ輸出だが、日本の農業にとって重要なことは間違いない。国内のコメ需要(年間約740万トン)は毎年8万トンずつ減っており、輸出に活路を見いださなければ農業はじり貧になるからだ。
輸出拡大の参考になるのが農機メーカー、クボタのコメの販売だ。従来、日本産米は外国の高級スーパーなどで売られることが多かったが、クボタは丼物の外食チェーンなどに手頃な価格のコメを輸出している。さらに輸出を増やすため傘下の農業法人で生産費削減に取り組む。高所得者層だけでなく、中の上(ハイミドル層)も狙わなければ裾野は広がらない。
政府計画の参加企業の多くが丼勘定の目標を出す中で、クボタは現実的かつ具体的な目標数量を示す異色の存在である(下表参照)。
コメ輸出をめぐっては、農水省が補助金で家畜の飼料用米を増やしたため主食用米が高値になり、価格競争力が付かないという根本的な問題がある。政府がアクセルとブレーキを同時に踏むのをやめなければ企業が輸出に本気になることはない。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)




