中国の外食市場は巨大であり、かつ成長している。しかし、現在の中国の外食市場では、日本料理で勝負している日系企業の大半が苦戦しているのが実情だ。なかなか普及しない理由は何か。果たして、日本料理に活路はあるのか。中国在住でサービス業のコンサルを行っている筆者の経験を踏まえて解説する。(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)
先日、中国割烹協会より「2017年度美食消費報告」が発表された。
2017年度、中国の外食市場規模は3兆9000億元(約68兆2500億円)になる見通しで、前年比10.7%と高い伸びを示した。昨年度の、同国の経済成長率が6.9%なので、現在、外食市場は中国経済を牽引する役割を果していることが見て取れる。3兆9000億元(約68兆2500億円)という中国の外食市場規模は、日本のそれと比べても膨大である。
日系企業が、この魅力的な市場を切り開く秘策はあるのか。考えてみたいと思う。
中国は68兆の巨大市場でも
日本料理の比率はわずか2%
中国外食市場は、1997年の29兆円を境にシュリンクを続ける日本の外食市場をよそに、拡大を続けている。その規模は、既に日本を遥かに凌ぐ68兆円を超える巨大なものへと成長したのだが、その内訳を見ていくと、中国に進出した日系企業が苦戦を強いられてきた理由の一端が見えてくる。
中国外食市場は日本と異なり、圧倒的な「ハレ食市場」であると同時に、圧倒的な「中華料理市場」なのである。