1人が1校しか合格できない国公立大学の上位校に、多くの合格実績を出している高校はどこか。「国公立100大学合格力」を基に全国の中高一貫校・高校をランキングし、ベスト2715校を選出した『ダイヤモンド・セレクト2018年8月号 中高一貫校・高校大学合格力ランキング 2019年入試版』から、ここでは全国ランキングに入った202校の中から、上位50校のデータを見ながらトップ進学校の実勢を探ってみた。
上位には関西の進学校が揃う
大阪府立高の大躍進
これまでの7回のうち、全国順位1位になった回数を見ると、灘が3回、東大寺学園が2回、甲陽学院と筑波大学附属駒場(筑駒)が1回ずつとなっている。いずれも国立か私立の中高一貫男子校で、ベスト5には他に大阪星光学院や広島学院のような西日本の私立男子一貫校が入ることが多い。25位までに11の男子一貫校が入っている。これは後述する「医学部合格力」でも同様の傾向にある。
6位には、毎年40人前後が卒業し、数人を除いて東京藝術大に進学する附属音楽高校というユニークな存在もあるのだが、こちらも国立校だ。
現役合格者・進学率のところでも触れたように、国公立志向はとりわけ関西圏で強く、ランキング上位校は概ね西高東低である。
18年のランキングを見ると、ベスト10に、5位北野、7位天王寺という大阪府立高校が2校入っている。北野は京都大合格者数が17年より20人増の84人となり、洛南を抜き去りトップになった。旧制1中の北野や2中の天王寺、33位三国丘など府立高10校は18年からグローバルリーダーズハイスクール(GLHS)に指定され、普通科を廃して文理学科とするエリート公立校である。
他に公立校で上位にあるものとしては、兵庫県の10位姫路西と21位長田、石川県の16位金沢泉丘、京都府の18位堀川あたりも上位常連校である。
17年の6位から急落した23位札幌南は、東大・京大の合格者が半減している。札幌と名の付く高校は東西南北あるが、20位札幌北に抜かれている。愛知県の旧制1中の旭丘も7位から44位に落ちた。
逆に大きく躍進した高校もある。157位から31位になった旧制1中の鶴丸(鹿児島県)、146位から43位になった理数科にメディカルコースができた新潟である。