1人で複数の大学・学部の合格を得ることができるため、のべ合格者数しか把握できなかったこともあり、私立大学はこれまで合格力ランキングの対象としてこなかったが、『ダイヤモンド・セレクト2018年8月号 中高一貫校・高校大学合格力ランキング 2019年入試版』では今回初めて、「難関私立大学合格力」を算出した。ここ数年の大都市圏大規模私立大学に対する文部科学省の定員厳格化の影響が大きく、今回のランキングからも、その「猛威」を感じ取ることができる。
2019年度から入学者数は定員通りに
一段と減る合格者数の影響は
今から3年前の2015年7月、文部科学省の私学部長と日本私立学校振興・共済事業団の理事長の連名で、学校法人理事長宛てに「平成28年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)」という文書が送られてきた。
2014年度、全国で4万5000人以上の入学定員超過が生じており、その8割が3大都市圏に集中、大・中規模大学(収容定員はそれぞれ8000人以上、4000人以上)に限るとその9割が3大都市圏に集まっているとした上で、19年度以降は入学定員充足率1倍超の入学者がいると学生経費相当額を減額するというものだった。
これがいわゆる「定員厳格化」で、大規模大学はそれまで1.2倍まで許されていたものが、16年度1.17倍、17年度1.14倍、18年度1.1倍と絞られていった。
地方創生の流れで始まった定員厳格化という仕打ちが、定員の1.2倍の学生を見込んで予算を組んできた大学の懐を直撃し、合格者の激減という刃物となって受験生の心に突き刺さっている。
私立大合格実績伸張は
中高一貫校成長の原動力
今回初めて、「難関私立大学合格力」を算出した。予感はあったものの、上位には東京と神奈川の学校、それも私立の別学校がキラ星の如く連なっている。
1人で複数の合格を得ることができるため、のべ合格者数による。