ANACargo
杉口 広 取締役
グローバルマーケティング担当

 航続距離は約9000㎞で、日本から米国中西部までダイレクトで飛べる。ANAカーゴでは、アジア―日本―北米を結ぶ太平洋路線に導入する予定だ。

 ANAは現在、259機の航空機を有し、国際線旅客機では45都市・65路線、国際線貨物機では15都市・46路線のネットワークを持つ。貨物専用機は、積載量が50トンの中型機12機だが、新型機の導入は、単なるキャパシティーの増加にとどまらず、輸送能力の質を変化させる。

 杉口広・ANAカーゴ取締役は、「B777-Fの導入で、航空貨物として輸送できる荷の大きさ、輸送できる距離などの制限はほぼなくなり、また旅客機による貨物輸送(ベリー)のネットワークも加味すれば、どの仕向地にどんな荷物でも運べるようになります」と強調する。

 今や航空輸送は、商品の市場への集中投入によるシェア確保や生産計画の進捗に応じた緊急出荷など、より戦略性が高まっている。医薬品や精密機器では湿度や温度、衝撃や振動などに細やかな管理が必要だが、専用の保冷コンテナの活用や、あらゆる商材に適したハンドリングなどを通じて対応できるようになった。