パレットと積荷情報のリンクで検品作業を自動化

パレットで「働き方改革」を物流現場の課題を解決する切り札パレットに貼付したRFIDタグはハンディターミナルで瞬時に読み込める。他にもゲート型やフォークリフト型など多様な形状の読み取り装置がある

 そしてここに来て、ITと連携したさらなる効率化をもたらすサービスが投入されている。

 JPRでは2000年代初頭からRFID(近距離無線による自動認識技術)の活用策を研究し始め、現在ではプラスチック製パレットのほぼ100%にRFIDのタグを貼付している。

 18年春にはまず、手書きのパレット伝票を手間なく電子データベース(クラウド)に移行するサービスを開始した。従来、パレットの移動情報は、紙伝票で管理してきた。その入力作業や伝票の保管業務などの負荷は、JPRの顧客全体では年間10億円程度と推測されてきた。

 今回の新サービスでは、汎用性の高いスマートフォンを用い現場で作業を完結できることが特徴だ。アプリを立ち上げパレットの移動情報を入力、発着照合やパレットの受け払い登録も画面上で行う。現場でリアルタイムにパレットの発着照合を完結するので、一連の管理作業、業務の負荷を削減できる。

パレットで「働き方改革」を物流現場の課題を解決する切り札スマートフォンのアプリでパレットの移動情報をQRコード化すれば、その場で発着照合やパレットの受け払い登録が手軽にできる

 これをさらに進化させ、パレットと積載商品情報をリンクさせるサービスも今秋からテスト運用する。従来は、商品が到着したときには発注内容と間違っていないかをチェックする検品作業が必要だった。しかし商品を積む段階で発注内容と合っているかを照合し、それをさらにパレットの個体情報(RFID)とリンクさせることで検品作業を自動化できる。

 また、メーカー・卸・小売りのサプライチェーン上でもパレットと積載商品情報がリンクしているので、商品の原材料の調達から生産、消費、廃棄まで追跡可能な状態にする「トレーサビリティー」が可能になる。JPRでは、情報を搭載するパレット、情報を管理するシステムのほか、情報を読み取るツールとして、ゲート型、フォークリフト搭載型など様々な形状の読み取り装置も提供する。現場環境に合わせた調整までトータルでサポートできるのもJPRの特徴だ。