人口増加が著しい長久手市には新たな集客施設がつくられ、その人気はまだまだ続くことになりそうだ。名古屋市内では都心部に住宅街も生まれつつある。名古屋駅周辺でも新たな再開発の動きが出てきた。

加藤剛司
かとう・こうじ/エステイトアクティフ代表取締役兼代表執行役社長。東海高校、早稲田大学法学部卒。名古屋テレビ放送勤務を経て、現職。名古屋の不動産事情に精通、不動産の総合コンサルタントとして顧客の資産形成に寄与している。

 愛・地球博(2005年)の会場跡地にできたのが、長久手市にあるモリコロパーク(愛・地球博記念公園)です。中でも、映画『となりのトトロ』に出てきたサツキとメイの家を再現した施設は大人気ですが、『もののけ姫』や『ハウルの動く城』などスタジオジブリ作品の世界をさらに拡充した「ジブリパーク」が2022年度にも開業します。東京の「三鷹の森ジブリ美術館」よりも規模は大きく、これは当たりそうです。ちなみにジブリの鈴木敏夫プロデューサーは名古屋市出身で東海高校の先輩にあたります。

 モリコロパークのリニモの隣駅「公園西」には昨年オープンのIKEA長久手があり、坪45万円ほどで駅周辺の宅地分譲も始まりました。長久手の人気と人口増はまだまだ続きそうです。

 以前、中村大門(中村区)の再開発のお話しをしましたが、地区内にある旧稲本が取り壊されます。建物の一部はジブリパークで活用されることになりそうです。地下鉄東山線「中村日赤」周辺エリアは街の様子が変貌していくことでしょう。

 人気の住宅地では、「覚王山(かくおうざん)」(千種区)で坪400万円程度の高級マンションの開発が始まりそうです。

 同じく地下鉄東山線沿いでは、長久手市の手前にあたる名東区の土地価格に上がりきった印象があります。坪70万~80万円程度だったものが100万円を付ける例も出てきたからです。「一社(いっしゃ)」駅周辺では、名東小・神丘中のような人気学校区も見られるようになりました。名東区がひと昔前の千種区のような状況になっています。