エッジコンピューティングは
地方分権型
壇 蜜さん (タレント)
「AIは常に学習するけれど、途中でサボったりするそうですね。 お芝居をしていて、同じ演技のテイクを重ねていると、もういいかなという妥協点が見えてくる。そんなとき、例えば相手役に新しい情報を入れると、新鮮な演技が生まれたりします。AIも同じですか?」と壇蜜さん。
「同じです。そのために刺激を与え、学習をリフレッシュさせるソフトもあります。当社のAIチップの最大の特徴は、価格や消費電力を抑えられるため、さまざまな現場でAIを活用するハードルが下がること。まさに人間の脳と同じ働きをするIoTが、身近に設置される可能性が増えてくると考えています」(原田CEO)
(左)コグニティブ監視カメラ 「AIマキビシ」。超圧縮 コーデックでクラウド負荷を 大幅に軽減する (右)わずかな揺れもキャッチし、 予知保全を可能にする 「バイブレーション センサー」
同社が販売するAIチップを開発したのは、IBMからスピンアウトした米国のGeneral Vision(GV)社。原田CEOはそのチップを実装して、知能を持った高機能イベント駆動型コグニティブ監視カメラ"AIマキビシ"や、高精度な遠隔加速度・傾斜測定システムを備えた"構造物ヘルスモニタリングシステム"などを開発している。
クラウドが中央集権型なら、エッジコンピューティングは地方分権型。「地震対策や遠隔医療など、ハードと連携する分野はクラウドだけでは立ちゆきません。AIが進展するためには地方分権、すなわち分散処理が必要とされているのです」と原田CEOは強調する。