IoTによる
「ものづくりソリューション」

 他社が、「まだ時期尚早」と考えるIoTでもアマダは、むしろ前のめりで展開を急いでいる。IoTの大前提についての考え方が他社とは異なるのだ。  パンチプレスに初めてNC(数値制御)を搭載させたように、アマダのITやソフトウェアに対する取り組みは早かった。加工機械の自動展開のためのソフト開発例も多い。その背景にあるのが、ものづくりの工程を丸ごと支援する仕組みでなくてはならないという考え方だ。

 ​ 磯部社長は、「精密に削ることを追究する工作機械とは違い、アマダは穴を開けて曲げてというように、幾つかの工程をつなぐ仕組みづくりを提案して機械の稼働率を上げ、お客さまのものづくりに貢献することを本分としています。だからこそ、工程全体に深く関わるIoTの仕組みづくりは、絶対に避けて通れない課題です」と力説する。

 現在の取り組みのポイントは二つある。まず作業工程のすべてにおいて加工の状況や進捗を「見える化」すること。そして工場内のシステムを統合し、それを外部の監視・支援システムと連携させることだ。

 工場内では各種の加工機が稼働しており、それらの稼働や保守状況を見える化する一方で、開発や設計で活用されるCAE(コンピューター・エイデッド・エンジニアリング)や製造支援システムのデータなどがリンクして「工場の今」の全容を捉える。それらのデータは、アマダのサポートセンターともつながり、メンテナンスの最適化を図るだけでなく、浮かび上がった課題に対応するソリューションの提案へと結び付けられる。
 アマダでは複数の取引先との試行を経てシステムを構築し、現在、約30社がV-factoryを導入している。

 直販・直サービスによる顧客との密な関係から生まれる挑戦心は、一向に揺らがない。アマダを抜きに日本のものづくりを語れない状況は今後も変わりそうにない。最後に磯部社長は「アマダグループは早くから海外展開をしており、さまざまなことにチャレンジできる土壌がある。チャレンジ精神旺盛な人材にぜひ来ていただきたい」と語った。

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