三菱電機では、1台のコントローラーで、設備監視・制御や入退室管理、映像監視などのセキュリティーを一括管理する「BuilUnity」を発売している。対象は、延床面積約5000平方メートル程度の中小規模ビル。クラウドサービスにより、モバイル端末で複数ビルの設備の状態を監視・制御できるのが特徴で、効率よく迅速にビルを管理することができる。

スマートフォンで複数のビルを一元管理中小規模ビルの管理業務を効率化する三菱電機 ビル事業部 ビル計画部
ビルマネジメント企画課 専任
勝山賀孔

「今、管理人が常駐していない中小規模のビルでは、セキュリティー機能の整備に加えて、省エネや運営管理の効率化が求められています。当社の『BuilUnity』の最大の特徴は、これまで個別のシステムでバラバラに管理していた各種設備(空調・照明)の監視や制御、入退室管理・映像監視を含むセキュリティーに関する各システムを、全て連携させて1台のコントローラーで一括管理できることです。ビル管理業務の効率化が図れて、セキュリティー機能も向上させられます」

 そう説明するのは、三菱電機ビル事業部の勝山賀孔氏だ。コントローラーにはウェブサーバーが内蔵されているため、専用のサーバーやソフトは不要で、1台のパソコンでの一括管理が可能。省スペースとともに購入しやすい価格も実現している。

 

ビル設備の監視や
制御を遠隔管理

 二つ目の特徴は、拡張性があることだ。最初から全てのシステムを入れる必要はなく、例えば最初は設備監視のシステムだけでスタートし、その後のビル運用やテナントの新たな要望に応じて、入退室管理や映像監視などの機能を追加することができる。ちなみに、BACnet(ビルディングネットワークのための通信規格)等を経由することで、三菱電機以外の設備の監視・制御もできる他、外部システムの機能との連携も可能だ。

 三つ目は、遠隔監視・制御ができること。「BuilUnity」はクラウドサービスを提供しているので、スマートフォンやタブレットがあれば、外出先からでも遠隔で、ビル設備の異常監視や空調の入り切りや設定温度・運転モードの変更ができる。

 開発を担当した三菱電機稲沢製作所の柴昇司氏は、スマートフォンの管理画面について、シンプルさと使い勝手を重視したと語る。「複数ビルの設備異常や状態をひと目で把握でき、警報履歴や制御履歴も確認できます。最大300棟を一元管理できる仕組みになっています」。

 ビル設備に異常があった際には、スマートフォンにメールで警報が通知されるため、外出先であっても、異常発生時に迅速に対応することができる。