住宅地としてはあまり人気のない港区に巨大な商業施設ららぽーとがオープンした。住友不動産や野村不動産など大手によるマンション開発は進むものの、タワーマンションはしばらく動きが止まりそうである。栄の巻き返し策にも期待したいところだが、果たして。

 ららぽーと名古屋みなとアクルスが9月28日に開業しました。最寄り駅は地下鉄名港線「港区役所」駅で、東邦ガス港明工場の跡地です。ナゴヤドーム約6個分(約33ha)という広大な敷地で、三井不動産の手掛けるこの施設は、これまで名古屋にあったイオンなどが手掛ける大規模商業施設とはレベルが違う印象を受けます。入り口すぐにある「蔦屋書店」、飲食も東京の人気店が集まっており、東京直輸入という感じがします。隣では三井不動産レジデンシャルのマンション建設が20年7月竣工予定で進行中です。

[名古屋不動産未来図17]港区に初めてのららぽーと  進む中区錦二丁目の再開発 加藤剛司 (かとう・こうじ)
エステイトアクティフ代表取締役兼代表執行役社長。東海高校、早稲田大学法学部卒。名古屋テレビ放送勤務を経て、現職。名古屋の不動産事情に精通、不動産の総合コンサルタントとして顧客の資産形成に寄与している。2019年には創業50周年を迎える。

  施設周辺の不動産価格は上昇すると思いますが、港区は名古屋市内でも南区と並んで人口の減少が続いているだけに、新たな住宅開発にまで結び付くかは疑問です。

 ところで、以前この連載で取り上げた案件の発売が始まっています。

 1つは、一帯にはかつて尾張徳川家の下屋敷があった葵一丁目(東区)の自動車ディーラー跡地の物件です。こちらでは20階建ての住友不動産シティタワー葵が建設中です。もっと高層の物件が建つものと業界関係者は見ていたので、意外な感じがします。

  もう1つはやはり東区の公務員宿舎跡に建設が進む15階建ての積和不動産マストスクエア橦木町です。

  先の葵一丁目の物件もそうですが、丸の内一丁目でも長谷工コーポレーションと組んだ住友不動産のマンション建設が進んでいます。こちらの敷地には弁護士さんの御屋敷がありました。