30分以上の有酸素運動で脂肪を燃焼
運動で脂肪を燃焼しようというのなら、「やるべきは、有酸素運動」と西脇院長は言う。
「脈拍が毎分[(220−年齢)×0.8]の状態を保ったまま、30~40分以上の有酸素運動を行うのがベストです。というのも、最初の20分は血液中の余分な中性脂肪が燃焼し、その後に体脂肪の燃焼が始まるからです」
50歳なら脈拍は毎分136、55歳なら毎分132という計算になる。運動の習慣がない人には正直「しんどそう」な数字だが、西脇院長は「辛くはない」という。
「この脈拍での運動は、うっすらと汗をかき、かつ息が切れない状態。玉の汗をかいたり、呼吸が苦しくなったりしたら、走るスピードが速すぎるか、運動の強度が強すぎます」
前後10分のウォーキングが疲労軽減に役立つ
また、「有酸素運動の前後に10分ずつ歩くことが大切」と西脇院長は強調する。これは長距離走の第一人者であるスチュー・ミッテルマンが行っていた方法。ミッテルマンはこの準備ウォークを取り入れて、1日当たり2回のフルマラソンを11日間も続け、長距離走のギネス記録を達成した。
「運動前に歩くのはウォーミングアップのため。運動後はリンパ液の流れを良くして、老廃物を排出しやすくするためです。この準備ウォークをすると、運動後に疲れも残らず、筋肉痛も起こりづらくなります」
筋肉がついた体の方が痩せやすい
といっても、有酸素運動だけで脂肪を減らすのは「効率が悪い」と西脇院長は話す。なぜなら1kgの脂肪を減らすには、9000kcalのエネルギー消費が必要だからだ。
「例えばウォーキングでこれを消費するには160km、東京から静岡まで歩かなくてはなりません、効率よく内臓脂肪を減らすには、筋肉を増やして基礎代謝を上げることが不可欠です」
筋肉と脂肪のエネルギー消費効率は、2対1。すなわち、筋肉が多い方がエネルギーを効率よく消費できる。また、筋肉が増えて基礎代謝が上がると、寝ている間にもエネルギーを消費できるという。
「筋肉は、筋繊維が断裂し、修復する過程で強くなります。なので、筋肉痛が起きるくらいの強度でのトレーニングがお薦めです。最も大きな筋肉である大腿筋を、スクワットなどで大きくする方法が効率的でしょう」