会社や仕事の普遍的な価値に
注目することが成功につながる

――まず、何のために転職するのか、自分を見つめ直すということですね。

平原 はい。転職市場に出ていく人材のなかで、自分の強みをしっかりと発揮できるのは、「これをやりたい」という志の強い人です。そんな人は、転職先選びでも「会社の理念が自分のやりたいことに合っているか」という視点を大切にします。そのうえで選んだ仕事は、たとえ少しばかり意に染まないことがあったとしても、じっくりと腰を据えて取り組むことになるだろうと思います。

 たとえ転職したとしても、この時代ですから、5年もすれば環境は大きく変わるでしょう。転職先にしても、現在の職場にしても、たとえ今、理想的であっても、5年後にもそうである保証はないのです。それだけに、普遍的な価値に注目して仕事の場を選ぶことが重要ではないかと、私は考えています。

――自分に合った仕事先を見つけるために大切なことは?

平原 面接前日に、その会社で何を確かめたいのか、整理しておくと良いかと思います。面接の中での質問はもちろんですが、受付の様子や会議室の配置、設備・什器などからも、その会社のカラーが伝わってくるものです。昔ながらの格式を大切にしているとか、柔軟さ・スピード感とかいったことですね。

 もちろん、面接の担当者はじめその会社で今、働いている人の印象や考え方も、会社や仕事のあり方といったものを知るヒントになります。もし悩む場合、他の社員との面談を依頼し、調整させていただくケースもあります。

――転職に当たって大切な点は、ほかにありますか。

平原 周囲の理解を得ることも、とても大切です。実は、内定を得てからあらためて悩み始める人も多いんです。本当にいい決断を自分はできているのか、周囲の意見が気になるんですね。そんなとき、パートナーや親御さんの一言に背中を押されるケースが少なくありません。新たな仕事探しを始めるときには、ぜひ身近な人たちに打ち明けて、いろいろなことを話し合っていただければと思います。