課題は民間からの
資金とプロデューサー
「地域資源を活かす例でユニークなのは、山口県宇部市です。ここでは、全園での生息環境展示を採用している『ときわ動物園』を中心に、国内外の子どもたちが世界の文化や環境、持続可能な社会について考える“せかい!動物かんきょう会議”を開催し、SDGsの視点を持つ人材を育成しています」
一方で、課題もある。
「地方におけるSDGsの取り組みの課題は、地域への資金の投入です。その意味で、民間企業の役割は大きいといえます。もう一つは人材です。環境だけでなく社会や経済など全体を俯瞰できる“プロデューサー”が必要です。これらの点がクリアされ、自治体と住民と企業が一緒に取り組めば、SDGsは地方創生を推進する強力な原動力になると思います」
大切なのは、経済・社会・環境の好循環を作り出し、安心して暮らせる、多様性あふれる社会を目指すことだと、関所長は指摘する。